
この記事のポイント
- ミレイ大統領がネウケン州の石油業界展示会で演説し、原油輸出の伸びを政権の規制緩和の成果だと強調した。
- 巨大シェール層バカ・ムエルタの好調について「歴史的なリベンジだ」と述べ、エネルギー輸出国としての復活を印象づけた。
- ドルは割安ではないとも主張したが、生産増をどこまで現政権の功績とみるかは評価が分かれる可能性がある。
アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領が、同国西部パタゴニア地方のネウケン州を訪れ、石油・ガス業界向けの展示会「AOG Patagonia 2026」で演説しました。複数の現地紙によると、大統領は原油輸出の伸びを大きく取り上げ、その要因は政権が進めてきた規制緩和にあると強調しました。
「バカ・ムエルタ」の好調を政権の成果に
演説の中心は、ネウケン州を中心に広がる巨大なシェール層「バカ・ムエルタ」でした。バカ・ムエルタは、シェールオイルとシェールガスの埋蔵量で世界有数とされ、ここ数年で生産が大きく伸びています。現地報道によると、ミレイ氏は石油輸出が記録的な水準に達したことを挙げ、その「ブーム」を前面に押し出しました。
地元紙によれば、大統領は「バカ・ムエルタのガスは歴史的なリベンジ(雪辱)だ」とも述べました。アルゼンチンは長くエネルギーを輸入に頼り、外貨不足に悩んできた歴史があります。今回の発言は、資源大国としての立場を取り戻しつつあるという認識を示したものと受け取られています。
規制緩和路線と為替をめぐる主張
2023年末に就任したミレイ氏は「リバタリアン(自由至上主義者)」を名乗る経済学者出身の大統領で、政府支出の大幅な削減や、価格統制・輸出規制の撤廃など、市場重視の改革を進めてきました。今回の演説でも、エネルギー分野で規制を緩めたことが投資と輸出の拡大につながったという考えを示しています。
また現地報道によると、大統領は為替について「ドルは割安ではない(ペソが割高になっているわけではない)」と語りました。アルゼンチンでは、ペソが実力以上に高く保たれていると輸出企業の競争力が落ちるとの批判が、経済界や専門家の一部から出ています。大統領の発言は、こうした見方に反論する意図があったとみられます。
背景と今後の見方
バカ・ムエルタの開発は前政権の時代から進んでおり、生産の伸びをどこまで現政権の政策によるものとみなすかについては、評価が分かれる可能性があります。国際的な原油価格や、パイプラインなど輸送インフラの整備状況も輸出量を左右します。
それでも、エネルギー輸出による外貨の獲得は、慢性的なインフレと外貨不足に苦しんできたアルゼンチン経済にとって重要な柱です。資源開発の行方は、ミレイ政権の経済改革の評価にも直結するテーマといえそうです。
※本記事はアルゼンチンの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:La Nación




