
この記事のポイント
- ミレイ大統領がスペイン訪問中、サンチェス首相を「独裁者」「泥棒」と呼び、退陣を求めた。
- サンチェス首相は、ミレイ氏に批判的な歌手ラリの曲「Fanático」を使い、皮肉で応じた。
- 両首脳は2024年にも衝突して大使の引き揚げに発展しており、関係が再び冷え込むおそれがある。
マドリードで飛び出した過激な発言
アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領がスペインを再び訪れ、首都マドリードでの演説でスペインのペドロ・サンチェス首相を激しく批判しました。アルゼンチンの主要紙クラリンやラ・ナシオンによると、ミレイ氏はサンチェス氏を「見るに堪えない独裁者」「泥棒の犯罪者」と呼び、「蹴り出すべきだ」と退陣を求めたということです。民主的な選挙で選ばれた他国の首相に、現職の大統領がこうした言葉を向けるのは、外交の場では異例といえます。
左派系のパヒナ12は、ミレイ氏がこの訪問でスペインによる中南米の征服を肯定的に語ったことも伝えています。征服の歴史をどう見るかは中南米で今も意見が分かれるテーマで、国内でも反発を呼ぶ可能性がある発言です。
サンチェス首相は人気歌手の曲で応じる
これに対しサンチェス首相は、アルゼンチンの人気歌手ラリ・エスポシトの曲「Fanático(ファナティコ=熱狂的なファン)」を使い、皮肉を込めて応じたと報じられています。ラリはアルゼンチンを代表するポップ歌手の一人で、以前からミレイ氏に批判的な立場をとってきました。ミレイ氏も彼女を公然と批判したことがあり、この曲はミレイ氏への当てこすりだと受け止められてきた経緯があります。サンチェス氏は直接言い返すのではなく、ミレイ氏と対立するアルゼンチンの有名人の曲を引用することで、冷ややかな距離感を示した形です。
背景:くり返される両国トップの対立
ミレイ氏は「無政府資本主義者」を名乗る右派のリバタリアン(自由至上主義者)で、2023年の大統領選で既存政党を破って当選しました。一方のサンチェス氏はスペイン社会労働党(PSOE)を率いる中道左派の政治家で、立場は正反対です。
二人の対立は今回が初めてではありません。2024年にはミレイ氏がスペインの右派政党ボックス(Vox)の集会でサンチェス氏の妻を批判し、スペイン政府が駐アルゼンチン大使を引き揚げる事態にまで発展しました。スペインはアルゼンチンにとって歴史的・文化的に深いつながりのある国で、スペイン企業の投資先としても重要です。
ミレイ氏は国外でも思想が近い勢力と連携し、左派指導者を強い言葉で批判するスタイルを続けています。支持者にとっては「妥協しない姿勢」の表れですが、外交関係や経済協力への影響を心配する声も根強くあります。今回の発言が両国関係に具体的にどう響くかは現時点ではわかりませんが、スペイン政府の公式な反応が今後の焦点になりそうです。
※本記事はアルゼンチンの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:Clarin.com




