
この記事のポイント
- フーシ派が南部アデン空港と東部ムカッラのリヤン空港を弾道ミサイルなどで攻撃したと報じられた。
- サウジ主導の連合軍は無人機5機を破壊したとされるが、被害の規模はまだ明らかになっていない。
- 2022年の停戦以降の比較的落ち着いた状況が崩れ、和平の流れが後退するおそれが懸念されている。
南部の主要空港が相次いで標的に
サウジアラビアの主要メディアは、隣国イエメンの武装組織フーシ派が攻撃の範囲を広げ、南部の港湾都市アデンの空港と、東部ハドラマウト県の中心都市ムカッラにあるリヤン空港を狙ったと一斉に報じました。イエメン政府側の軍によると、攻撃には弾道ミサイルが使われ、南西部の都市タイズにある工場も標的になったとされています。サウジ紙アッシャルク・アルアウサトは、サウジ主導の連合軍が無人機(ドローン)5機を破壊したと伝えました。被害の規模や死傷者の有無について、現時点で確かな情報はまだ出ていません。
フーシ派とイエメン内戦の構図
フーシ派は、イエメン北部を拠点とするイスラム教シーア派系の武装組織で、イランの支援を受けているとされます。2014年に首都サヌアを掌握し、国際的に承認された政府は南部アデンに拠点を移しました。翌2015年には、サウジアラビアが中心となってアラブ諸国の連合軍を結成し、政府側を支える形で軍事介入しました。それ以来、内戦は「サウジ対イランの代理戦争」とも呼ばれてきました。
アデンは政府側の事実上の拠点で、アデン空港は国外とつながる数少ない窓口の一つです。リヤン空港のあるムカッラはアラビア海に面したハドラマウト県の中心都市で、サヌアなど北部から遠く離れています。今回、フーシ派の支配地域から離れた南部・東部の空港まで攻撃が及んだと伝えられたことが、「攻撃の拡大」と受け止められている理由です。
サウジにとっての意味
サウジアラビアはイエメンと長い国境を接しており、過去にはフーシ派のミサイルや無人機による攻撃が、サウジ国内の空港や石油施設にまで及んだことがあります。2022年の停戦以降は大規模な戦闘が比較的抑えられ、サウジとフーシ派の間の対話も伝えられてきました。それだけに、空港のような重要な民間施設への攻撃が続けば、和平に向けた流れが後退するのではないかという懸念が出ています。
タイズの北部・南部の前線でも戦闘が続いていると報じられており、情勢はなお流動的です。今後、連合軍がどこまで反撃を強めるのか、また国連などによる仲介の動きが再び進むのかが焦点になるとみられます。ただし、攻撃の詳しい背景やフーシ派側の狙いについては、現時点の報道からは断定できません。
※本記事はサウジアラビアの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:سكاي نيوز عربية




