
この記事のポイント
- ブラジル連邦警察は、弁護士トマス氏がフラビオ議員との関係を示す記事リンクの削除に金銭を払ったと指摘した。
- トマス氏はフラビオ氏に近い人物とされ、2025年に国内で最も多額のスポーツ賭博をした人物とも報じられている。
- フラビオ氏側はモラエス最高裁判事に捜査記録の閲覧を求めており、選挙戦への影響も注目されている。
連邦警察が「記事リンクの削除」に注目
ブラジルの有力紙オ・グローボなどによると、ブラジル連邦警察(PF)は、弁護士のウィレル・トマス氏が、自身とフラビオ・ボルソナロ上院議員との関係を示すニュース記事へのリンクをインターネット上から削除させるため、費用を支払っていたと指摘しました。連邦警察は、日本の警察庁と検察の捜査機能の一部をあわせたような連邦レベルの捜査機関で、政治家や公務員が絡む事件も扱います。
報道によれば、連邦警察は進めている捜査の中でこの点を取り上げています。ただ、どのような業者や手段で削除を依頼したのか、金額がいくらだったのか、削除が実際にどこまで進んだのかといった詳細は、現時点の報道では明らかになっていません。また、削除依頼そのものが違法にあたるかどうかについても、司法の判断はまだ出ていません。
関係者の顔ぶれ
フラビオ・ボルソナロ氏は、ジャイル・ボルソナロ前大統領の長男で、リオデジャネイロ州選出の上院議員です。ブラジル右派の中心的な政治家の一人で、選挙戦に関わる立場にあります。ウィレル・トマス氏は首都ブラジリアを拠点に活動する弁護士で、ブラジルの報道ではフラビオ氏に近い人物として伝えられています。G1によると、ブラジル政府の賭博規制当局は、トマス氏が2025年に国内で最も多額のスポーツ賭博(ベット)を行った人物だったとしています。
CNNブラジルによると、フラビオ氏側は、最高裁判所(STF)のアレシャンドリ・ジ・モラエス判事に対し、この捜査記録の閲覧を求めました。陣営が捜査の行方を気にしているとも伝えられています。モラエス判事は、ボルソナロ前大統領によるクーデター計画事件などを担当してきた人物で、ボルソナロ派とは対立が続いています。
背景にある「ネット上の評判管理」
ブラジルでは、検索結果やSNSから自分に不利な情報を消そうとする「評判管理」サービスが広く利用されています。正当な権利の行使として名誉毀損にあたる記事の削除を求めるケースもある一方で、報道の自由や公益性のある情報へのアクセスを損なうという批判もあります。今回のケースは、有力政治家との関係を報じた記事が対象とされている点で注目を集めています。
一般論として、選挙をひかえた時期にこうした捜査情報が出てくると、政治的な攻撃材料として使われやすくなります。フラビオ氏側が捜査の「政治利用」を主張する可能性もあり、今後は連邦警察の捜査がどこまで具体的な事実を示せるかが焦点になりそうです。
※本記事はブラジルの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:O GLOBO




