
この記事のポイント
- 新たなギャング関連写真が明るみに出て、労働党のヒプキンス党首が国民党を「一級の偽善者」と批判した。
- 国民党はギャング記章の禁止など強い治安対策を掲げてきただけに、自分たちの看板政策を突かれる形となった。
- 国民党は再選後の「100日計画」を発表して政策を訴えるが、写真をめぐる問題が選挙戦に影を落としている。
「一級の偽善者」発言の背景
ニュージーランドの選挙戦で、ギャング(組織犯罪グループ)をめぐる写真が新たな火種になっています。現地紙NZヘラルドによると、新しいギャング関連の写真が出てきたことを受けて、最大野党・労働党のクリス・ヒプキンス党首が、与党・国民党を「A grade hypocrites(一級の偽善者)」と強い言葉で批判しました。ヒプキンス氏は2023年の総選挙まで首相を務めた人物です。
報道の見出しからは、写真に誰が写っているのか、どんな状況で撮られたのかといった詳しいことは分かっていません。ただ、ヒプキンス氏が国民党の「偽善」を指摘していることから、ギャング対策の強化を打ち出してきた国民党側の言動と、写真が示すとされる内容が食い違う、という主張だとみられます。
ギャング問題はニュージーランド政治の大きな争点
ニュージーランドでは、「モングレル・モブ」や「ブラック・パワー」などのギャングが古くから社会問題になっています。メンバーは「パッチ」と呼ばれるワッペン付きのベストを着ることで知られています。日本の暴力団とは成り立ちが違い、先住民マオリや太平洋諸島系の若者の貧困・疎外とも結びついた、根の深い問題とされています。
クリストファー・ラクソン首相の国民党を中心とする連立政権は、公共の場でギャングの記章を身につけることの禁止や、集会の取り締まりなど、強硬な対策を進めてきました。「犯罪に厳しい政党」という姿勢は国民党の看板の一つで、今回の批判は、その看板そのものを揺さぶろうとする労働党の狙いがうかがえます。
国民党は「100日計画」で政策を前面に
この批判が出たのとほぼ同じ時期に、国民党は再選された場合に最初の100日で取り組む政策をまとめた「100日計画」を発表しました。ラクソン首相は記者会見で、教育や犯罪対策などでこれまでの成果を強調したと報じられています。国民党としては、具体的な政策で有権者に訴えたいところですが、写真をめぐる問題がその発信の妨げになる可能性もあります。
今後の焦点
今後は、写真について国民党側がどう説明するか、また有権者がこの問題をどの程度重く受け止めるかが注目されます。一般に、選挙戦の終盤ではこうした「イメージ」をめぐる攻防が支持率に影響することがありますが、今回の件がどこまで結果を左右するかは、現時点ではわかりません。
※本記事はニュージーランドの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:NZ Herald




