
この記事のポイント
- インド北部スルタンプルの裁判所が、2018年の発言をめぐる名誉毀損訴訟で野党指導者ラフル・ガンジー氏に無罪を言い渡した。
- 問題になったのは、現在モディ政権で内相を務めるアミット・シャー氏について、同氏が2018年に行った発言だった。
- インドでは名誉毀損が刑事罰の対象で、ガンジー氏は2023年に別の訴訟の有罪判決で議員資格を一時失っていた。
8年越しの訴訟で無罪判決
インド北部ウッタル・プラデーシュ州のスルタンプル(同州東部の地方都市)の裁判所は、最大野党・インド国民会議派のラフル・ガンジー氏に対する名誉毀損訴訟で、同氏に無罪を言い渡しました。複数の現地メディアが伝えています。この訴訟は、2018年に同氏が与党インド人民党(BJP)の有力者アミット・シャー氏について行った発言をめぐるものです。シャー氏は当時BJPの党総裁で、現在はモディ政権の内相を務めています。
どんな訴訟だったのか
現地報道によると、この訴訟は2018年の発言を問題視した側が起こしたもので、長い間スルタンプルの裁判所で審理が続いていました。ガンジー氏は出廷して容疑を否認していたと伝えられています。判決の詳しい理由や、原告側が上級の裁判所に控訴するかどうかは、今のところ元の報道からは分かりません。
インドでは、名誉毀損が民事だけでなく刑事事件としても扱われます。以前の刑法で処罰の対象とされ、2024年に施行された新しい刑法典にも引き継がれました。政治家どうしが発言をめぐって刑事告訴し合う例は少なくなく、各地の裁判所で同時にいくつもの訴訟を抱える有力政治家もいます。
ガンジー氏と名誉毀損訴訟の因縁
ガンジー氏は、ネルー=ガンジー家(独立後のインドで首相を何人も出した政治家の一族)の出身で、2024年の総選挙後は連邦下院の野党党首(LoP)を務めています。同氏にとって名誉毀損訴訟は、政治生命にかかわる問題でした。2023年には、西部グジャラート州の裁判所がモディ首相の姓にふれた発言を名誉毀損と認め、有罪判決を出しました。これで同氏は一時、下院議員の資格を失いました。その後、最高裁判所が有罪判決の効力を止め、議員に戻っています。
インドの法律では、2年以上の禁錮刑を受けると議員資格を失います。そのため、名誉毀損訴訟の行方は野党の有力政治家にとって重い意味を持ちます。今回の無罪判決で、ガンジー氏はこうした訴訟のひとつから解放されたことになります。
今後の見通し
与党BJPと国民会議派の対立は今も激しく、ガンジー氏はほかの地域でも発言をめぐる訴訟を抱えていると報じられています。今回の判決が、ほかの訴訟の判断や政治家の発言をめぐる議論にどう影響するかはまだ分かりません。ただ、野党側は「政治的な嫌がらせとしての訴訟」への反論材料として使うとみられます。
※本記事はインドの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:Live Law




