
この記事のポイント
- 台湾の人気司会者・蔡康永氏が中国の微博に「台湾独立を支持したことはない」と投稿し、台湾で議論が広がった。
- 台北市長選に向け、現職の蔣萬安市長は反民主的な脅しを拒むと述べ、民進党の沈伯洋氏は中国の介入を批判した。
- 中国で活動する台湾の芸能人が政治的な表明を迫られる構図が、選挙中の台湾で改めて注目されている。
人気司会者の微博投稿が議論に
台湾で、テレビ司会者で作家の蔡康永(さい・こうえい)氏の投稿が議論を呼んでいます。蔡氏は中国のSNS「微博(ウェイボー)」に、自分は「台湾独立を支持したことはない」という内容を書き込みました。台湾の複数のメディアは、深夜に出された釈明やおわびに近い投稿だと伝えています。蔡氏は台湾だけでなく中国でもバラエティー番組などで知られ、中国の視聴者にも人気があります。
台湾の芸能人が中国のネット世論から「台湾独立派」と批判され、中国市場向けに立場を表明させられることは、これまでも何度も起きてきました。報道によると、今回の投稿は台北市長選挙をめぐる動きとの関わりで注目を集めました。ただ、投稿に至った詳しい経緯は報道によって書き方が違い、はっきりしない点も残っています。
台北市長選の候補者が相次いで反応
台湾では11月下旬に統一地方選挙が予定され、首都・台北市の市長選は特に注目されています。再選をめざす現職の蔣萬安(しょう・ばんあん)市長は国民党の所属で、蔣介石元総統のひ孫にあたります。蔣氏は今回の件について、民主主義に反する脅しは絶対に受け入れないという考えを示しました。そのうえで、ネット上で蔡氏を大勢で攻撃する、いわゆる「炎上」には反対する姿勢をとったと報じられています。
一方、与党・民進党の沈伯洋(しん・はくよう)氏は、中国による介入の跡が明らかだと批判しました。沈氏は中国による情報工作や浸透の問題に取り組んできた立法委員(国会議員にあたる)で、中国当局から制裁の対象にされたことでも知られています。
「おわびではなく別れ」との見方も
投稿をめぐっては、台湾のネット上で「台湾独立と距離を置いた」と批判する声が上がりました。これに対し、ある弁護士は、投稿は「おわびではなく別れのあいさつだ」との見方を示し、蔡氏をかばっています。投稿の真意については、さまざまな受け止め方が出ているのが現状です。
背景:芸能人と中台関係
中国は台湾を自国の一部とみなし、「台湾独立」に強く反対しています。そのため、中国で活動する台湾の芸能人は、政治的な立場をはっきり示すよう圧力を受けやすい立場にあります。今回の件は、一人の芸能人の発言をきっかけに、選挙中の台湾で「中国の影響力にどう向き合うか」という問題が改めて問われた形です。有権者の判断にどこまで影響するかは、今のところわかりません。
※本記事は台湾の現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:Yahoo新聞




