
この記事のポイント
- コロンビアのブラ外相が、旅券発行でトーマス・グレッグ社と緊急契約を結んだ理由を説明した。
- この契約は入札を経ない例外的な手続きによるもので、外相は新体制が整うまでの一時的な措置だと強調した。
- 政府はポルトガルの協力で旅券を国内で製造する方針で、移行の時期と外交面の調整が今後の焦点になる。
南米コロンビアで、パスポート(旅券)の発行をめぐる問題が再び注目を集めています。現地紙エル・ティエンポなどによると、オマル・ブラ外相は、外務省が民間企業トーマス・グレッグ・アンド・サンズ(Thomas Greg & Sons)と「明白な緊急事態(urgencia manifiesta)」に基づく契約を結んだことについて説明し、この措置は「一時的なもの」だと述べました。
何が起きたのか
コロンビアでは長年、トーマス・グレッグ社が旅券の製造を担ってきました。同社は紙幣や身分証などのセキュリティ印刷を手がける国内企業です。しかし、ペトロ政権は特定企業への依存を問題視し、旅券の製造を国の機関へ移す方針を打ち出していました。その過程で入札や契約の扱いをめぐって混乱が続き、政治的な論争にもなってきました。
今回の契約は、新しい体制が整うまでの間も旅券の発行を止めないためのものとされています。カラコル・ラジオなどの報道では、国民はこれまで通り旅券を受け取れる見通しだと伝えられています。
「明白な緊急事態」とは
「明白な緊急事態」は、コロンビアの公共調達法で認められた例外的な手続きです。公共サービスの継続が差し迫った危険にさらされている場合などに、通常の入札を経ずに直接契約を結ぶことができます。手続きが速い一方で、透明性の面から会計検査当局などの事後チェックを受けるのが一般的で、使い方によっては批判を招きやすい制度でもあります。
ブラ外相が「一時的」と強調したのは、政府がこれまで掲げてきた「脱・トーマス・グレッグ」の方針を撤回したわけではない、と示すためだとみられます。ただ、契約の期間や金額などの詳しい条件は、現時点の報道からは確認できていません。
背景にある国際協力と課題
政府は、ポルトガルの国営印刷局の協力を得て、国内で旅券を製造する体制づくりを進めてきました。一部報道では、この件をめぐってポルトガル側から外交文書(口上書)が届き、両国の間に緊張が生じているとも伝えられていますが、詳細はまだはっきりしていません。
旅券は海外渡航や出稼ぎに欠かせないもので、多くの国民の暮らしに直接関わります。政権の方針と、発行を止められないという現実をどう両立させるのか。新体制への移行がいつ完了するのかが、今後の焦点になりそうです。
※本記事はコロンビアの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:El Tiempo




