
この記事のポイント
- ラダックの活動家ワンチュク氏がハンスト継続で体調を崩し病院へ搬送された。
- 支援者のディプケ氏が抗議を引き継ぎ、無期限のハンガーストライキを開始した。
- ラダックの自治権を求める運動を背景に、政府の対応への批判が広がっている。
ハンストの活動家が病院へ搬送
インド最北部ラダック地方の著名な活動家ソナム・ワンチュク氏が、抗議のためのハンガーストライキ(絶食による抗議)を続けた末に体調を崩し、病院へ搬送されたと現地メディアが報じています。ワンチュク氏はラダックの自治権拡大や環境・雇用の保護などを訴えて絶食を続けており、健康状態の悪化が懸念されていました。
ソナム・ワンチュク氏は、教育改革者・環境活動家として国内外に知られる人物です。インドの人気映画のモデルになったとも語られ、氷を使った人工氷河「アイス・ストゥーパ」で農業用水を確保する取り組みなどでも注目を集めてきました。近年は、ラダックの人々の権利保護を求める運動の中心的存在となっています。
「私は国家の脅威ではない」支援者が引き継ぐ
報道によると、ワンチュク氏が病院へ移された後、支援団体の関係者とされるアビジート・ディプケ氏が抗議を引き継ぎ、無期限のハンガーストライキを始めたとされます。同氏は「私は国家安全保障上の脅威ではない」と涙ながらに訴えたと伝えられており、当局による活動家の扱いへの反発がにじんでいます。ただし、こうした発言や経緯の細部は報道段階の情報であり、確定していない点も含まれる可能性があります。
ラダックは、かつてジャンムー・カシミール州の一部でしたが、2019年に連邦直轄領(中央政府が直接統治する地域)へと再編されました。これにより地元選出の議会を持たない状態が続いており、住民の間では「自分たちの声が政治に届きにくい」という不満が根強くあります。憲法上の特別な保護枠組みの適用を求める声も、抗議運動の背景にあります。
政府対応への批判
この一連の動きをめぐっては、野党の重鎮政治家からも、中央政府の対応を「無責任だ」と批判する声が上がったと報じられています。活動家の隔離や連絡手段の制限があったとする指摘もあり、抗議の封じ込め方そのものが議論の的になっています。もっとも、政府側の詳しい見解や反論については、現時点で明確に伝わっていません。
ラダックの自治をめぐる問題は、辺境地域の権利や中央集権のあり方という、インドが抱える大きなテーマとも重なります。日本ではあまり報じられませんが、一人の活動家の絶食が全国的な政治論争へと広がりつつある点は、注目に値します。
※本記事はインドの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:The Hindu




