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「共同富裕」の実験場・浙江──農村の変貌に見る中国の格差是正戦略

中国メディアが浙江省の農村の変化を通じて「共同富裕」の道のりを特集。習近平政権が掲げる格差是正政策の実験場としての浙江の位置づけと、その背景を解説する。

「共同富裕」の実験場・浙江──農村の変貌に見る中国の格差是正戦略
🔥🔥 ローカル度・高

この記事のポイント

  • 浙江省は2021年に中国政府から「共同富裕モデル地区」に指定された実験場である
  • 農村の「蝶変」の背景には2003年開始の農村整備事業「千万工程」がある
  • 共同富裕は格差是正を掲げるが、企業統制強化への懸念も併存している
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中国の国営系メディアが、浙江省(せっこうしょう)の農村の変貌を取り上げ、そこから中国が掲げる「共同富裕(きょうどうふゆう)」の道のりを読み解く特集を伝えた。共同富裕とは「みなでともに豊かになる」という意味で、習近平(しゅう・きんぺい)政権が近年、経済政策の中心的なスローガンとして繰り返し強調している概念だ。今回の報道は、豊かな沿海部として知られる浙江の農村がどのように変わってきたかを切り口に、この政策の狙いを描き出そうとしている。

なぜ「浙江」なのか

浙江省は上海の南に位置する沿海の省で、省都は杭州(こうしゅう)。電子商取引大手アリババの本拠地でもあり、民営経済が活発で、中国の中でも所得水準が高い地域として知られる。その一方で、経済発展の恩恵が農村や内陸部に十分に行き渡らず、都市と農村、地域間の格差が広がってきたことは、中国全体が抱える長年の課題でもある。

2021年、中国政府は浙江省を「共同富裕モデル地区(示範区)」に指定した。豊かさと格差の両面を持つ浙江を実験場とし、格差是正の具体的な手法を試して全国に広げる、という位置づけである。今回の報道が浙江の農村に注目するのも、この文脈に沿ったものとみられる。

農村の「蝶変」と千万工程

見出しにある「蝶変(ちょうへん)」は、さなぎが蝶へと羽化するように大きく生まれ変わる、という意味の中国語の表現だ。中国では、環境整備やインフラ改善、観光や特産品を生かした産業づくりを通じて農村を再生させる取り組みが各地で進められてきた。

その代表例が、2003年に当時浙江省トップだった習近平氏の主導で始まったとされる「千万工程(せんまんこうてい)」だ。これは「千の村を模範に、一万の村を整備する」ことを掲げた農村環境改善プロジェクトで、ごみ処理や下水、景観の整備から始まり、産業振興へと発展したとされる。今回の特集は、この長年の取り組みの延長線上に現在の農村の姿を位置づけているとみられる。

スローガンと現実

もっとも、共同富裕をめぐっては、中国国内外でさまざまな見方がある。格差是正を前向きに評価する声がある一方、政策が民間企業への統制強化や「富の再分配」の名目に使われかねないとの懸念も指摘されてきた。今回のような報道は政策の成果を強調する性格が強く、そのまま実態と受け取るには慎重さも求められる。とはいえ、浙江の農村が中国の政策の縮図として語られること自体が、この国がいま何を重視しているかを示している。

※本記事は中国の現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。

📰 情報ソース:chinanews.com.cn

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