
この記事のポイント
- 台湾の都市強靭化演習で防空警報が鳴り、台北の街頭から人や車が一斉に消えた。
- 今回初めて携帯電話回線の通信速度を意図的に落とす措置が導入された。
- 利用者が実測した通信速度の遅さがSNSで話題となり、有事への備えとして注目された。
防空警報で台北の街が一瞬にして「無人」に
台湾で毎年実施されている大規模な防災・防空訓練「城鎮韌性演習(じょうちんじんせいえんしゅう=都市強靭化演習)」が行われ、首都・台北市の中心部で、防空警報の発令とともに街頭から人や車の姿が一斉に消える様子が現地メディアに大きく取り上げられた。演習中は歩行者が屋内へ避難するよう求められ、通りが数十分にわたって「無人」となる光景が各地で見られた。
「城鎮韌性演習」は、従来の防空訓練「萬安演習」と防災訓練を統合し、有事や大規模災害の双方に備える台湾の総合的な官民合同訓練とされる。ミサイル攻撃などを想定した避難行動を、住民や店舗を巻き込んで実地で確認するのが特徴だ。
初めて導入された「携帯回線の速度制限」
今回の演習で現地メディアが特に注目したのが、行動網路降速、すなわち携帯電話回線の通信速度を意図的に低下させる措置が初めて盛り込まれた点だ。有事にネットワークが混雑・制限された状況を想定した試みとみられ、演習中に一般の利用者がスマートフォンで通信速度を実測し、その数値がふだんと比べて大幅に遅かったとしてSNSなどで話題になった。
報道によれば、台北市の蔣萬安(しょう・ばんあん=ジアン・ワンアン)市長は、この携帯回線の速度制限が前回までの演習と異なる新しい点だと説明したとされる。具体的な速度の数値や制限の仕組みについては報道ごとに扱いが異なり、確定的な数字を断言することは難しいが、「体感できるほど遅くなった」という利用者の声が相次いだ点は各社に共通している。
市民生活と防災意識のあいだで
街が一瞬で静まり返る映像や、通信が細くなる体験は、多くの市民にとって非日常的なものだ。一方で、こうした訓練を通じて危機時の行動や情報伝達の課題を事前に洗い出す狙いがあるとみられる。台湾では安全保障や災害への備えが社会的な関心事となっており、今回の演習もその文脈で受け止められていると考えられる。訪台していた外国人旅行者からは「貴重な経験だった」との声も伝えられている。
※本記事は台湾の現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:東森新聞




