
この記事のポイント
- ビクトリア州の教員が新賃金合意を承認し、3度目のストを撤回した。
- 合意で州内教員はオーストラリア国内で最高水準の待遇になる見通し。
- 基本給引き上げに一時金を上乗せし、組合内部の動きが決着を後押しした。
オーストラリア南東部のビクトリア州で、公立学校の教員が州政府との新しい賃金合意を承認し、予定されていた3度目のストライキを取りやめました。長期化していた労使の対立に、ひとまず区切りがついた形です。ビクトリア州は州都メルボルンを抱える人口の多い州で、州政府は労働党(レイバー)が担っています。
長引いた対立が「歴史的節目」で決着
現地報道によると、今回の合意は教員側の投票で賛成多数となり、関係者はこれを「歴史的な節目」と位置づけています。ビクトリア州の教員は、この合意によってオーストラリア国内で最も高い給与水準の教員になる見通しだと伝えられています。具体的な金額や引き上げ率は報道により幅があるため、ここでは断定を避けますが、基本給の引き上げに加えて一時金(ボーナス)が盛り込まれた点が特徴とされています。
「組合内の反乱」が合意を後押し
興味深いのは、合意成立の背景に組合内部の動きがあったと指摘されている点です。一部の報道は、教員組合の執行部の方針に対して現場の組合員から異論が出る「反乱」に近い状況があり、それが結果的に交渉を前進させ、今回の合意をまとめる後押しになったと伝えています。労働組合というと一枚岩のイメージを持たれがちですが、実際には執行部と現場の間で温度差が生じることもある、という一例といえます。
日本の読者が押さえておきたい背景
オーストラリアでは教育行政の多くが州の管轄で、教員の給与や労働条件も州ごとに決まります。そのため「ビクトリア州の教員が国内最高水準になる」という話は、他州との待遇競争や人材確保の観点からも注目されます。教員不足は各国共通の課題であり、賃上げによる人材のつなぎとめは、日本を含め多くの国が直面するテーマでもあります。今回のストの撤回は、少なくとも当面は学校運営が正常化することを意味し、保護者や生徒にとっては安心材料となりそうです。なお、州政府にとっては人件費の増加という財政面の宿題を残す面もあると指摘されています。
※本記事はオーストラリアの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:The Age




