🌐 日本語

世界の声 — 各国のローカルニュースを、日本語で

購読するメール通知に登録

ベトナム、小1〜高3の教育課程と教科書を一斉見直しへ

ベトナム教育訓練省が、小学1年から高校3年までの教育課程と教科書を「同期的に」見直し・修正する方針を示した。2018年課程の運用上の課題や行政区画再編が背景にあるとされる。

ベトナム、小1〜高3の教育課程と教科書を一斉見直しへ
🔥🔥 ローカル度・高

この記事のポイント

  • ベトナム教育訓練省が小1〜高3の教育課程と教科書を一体で見直す方針を示した。
  • 背景には2018年課程の運用課題と、省・市の統廃合による地名記述の更新必要性がある。
  • ベトナムは1課程・複数教科書制の導入途上で、改訂は供給や指導計画にも影響する。
シェアX (Twitter)FacebookLINEはてブ

教育課程と教科書を「まとめて」直す方針

ベトナムの教育訓練省(Bộ GD&ĐT/日本の文部科学省にあたる中央省庁)が、小学1年から高校3年までの一般教育課程と、それに対応する教科書を同期的に――つまり課程と教材をばらばらにではなく一体で――見直し・修正する方針を打ち出したと、Znews、VnExpress、Tuoi Tre(トゥオイチェ=ホーチミン市の有力紙)など複数の現地メディアが報じました。個別の教科や学年だけを部分的に手直しするのではなく、12学年分を通した整合性を取り直す点が特徴です。

背景にある「2018年課程」と教科書の複線化

ベトナムは2018年に新しい一般教育課程を定め、2020年度の小学1年から学年進行で導入してきました。この改革の大きな柱が「1課程・複数教科書」制度です。それ以前は国定の教科書が事実上1種類でしたが、複数の出版社が編集した教科書を各地域・各学校が選べる仕組みに変わりました。日本の検定教科書制度に近い発想ですが、ベトナムでは制度そのものが新しく、教員研修や教材の質、選定の手続きをめぐる議論が続いてきた経緯があります。

導入から数年が経ち、現場からは学習内容の分量、学年間のつながり、科目統合のあり方などについて意見が寄せられてきました。今回の一斉見直しは、そうした運用上の課題を、課程本体と教科書の両面から整理し直す動きと位置づけられます。現地報道では、修正案について広く意見(góp ý=パブリックな意見聴取)が集まっていることも伝えられています。

行政区画の再編という事情

もう一つ、ベトナム固有の事情として指摘されるのが行政区画の再編です。ベトナムでは近年、省・市の統廃合を含む地方行政の大規模な再編が進められており、省名や地名、行政単位の数値は地理や歴史、公民系の教科書記述に直接影響します。教科書の内容を実態に合わせて更新する必要が生じている、という説明は複数の報道で共通しています。ただし、どの記述をどこまで書き換えるかといった具体は、現時点で公表された情報からは断定できません。

日本の読者が押さえておきたい点

ベトナムでは教育熱が非常に高く、教科書や試験制度の変更は家庭の関心事として大きく報じられます。児童生徒数が多く、教科書は毎年膨大な部数が使われるため、改訂は印刷・供給・価格、そして教員の指導計画にも波及します。学年進行の途中で内容が変わる場合、どの学年から適用するのか、既存の教科書をどう扱うのかが実務上の焦点になりますが、その詳細なスケジュールは今後の発表を待つ必要があります。

日本でも学習指導要領の改訂は約10年ごとに行われ、そのたびに教科書が作り直されます。ベトナムの今回の動きは、新課程を「作った後に、走らせながら直す」段階に入ったものと見ることができ、大規模な教育改革に共通する調整局面として理解すると分かりやすいでしょう。

※本記事はベトナムの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。

📰 情報ソース:Znews

シェアX (Twitter)FacebookLINEはてブ