
この記事のポイント
- フィリピン西部パラワン沖のフェリー火災で、確認された死者が35人に増えた。
- 53人が依然として行方不明で、当局は犠牲者がさらに増えるとの見方を示している。
- 群島国家フィリピンでは船が生活路線で、過去にも大規模な海難事故が起きている。
パラワン沖のフェリー火災、死者35人に
フィリピン西部パラワン州の沖合で起きたフェリーの火災で、確認された死者が35人に増えたと現地報道が伝えています。当局は「犠牲者の数はさらに増える可能性が高い」との見方を示しており、報道時点で53人が依然として行方不明とされています。船内からは激しく焼けた状態の遺体も見つかっており、身元確認には時間がかかるとみられます。警察も投入され、行方不明者の捜索が続いている状況です。
火災の原因や出火場所については、現地報道の段階では確定的な情報が出ていません。フィリピンでは海難事故の原因調査を海事当局が行うのが通例で、結論が出るまでには相応の時間を要するのが一般的です。
パラワンはどんな場所か
パラワンは、フィリピンの西端に細長く伸びる島を中心とした州です。州都はプエルトプリンセサ。世界遺産の地下河川や、エルニドをはじめとする石灰岩の島々で知られ、日本からの観光客にも人気のリゾート地域として名前を聞いたことがある人もいるでしょう。一方で、本島と周辺の離島を結ぶ足は船が中心で、住民にとってフェリーは生活路線そのものです。
海上火災で被害が拡大しやすい理由
一般論として、航行中の船で火災が起きると被害が拡大しやすい要因がいくつかあります。逃げ場が限られること、煙が船室内にこもりやすいこと、陸上の消防が駆けつけられず消火が乗員と周辺船舶に委ねられること、そして救助隊の到着までに時間がかかることです。生存者の救助は近くを航行する漁船や商船に頼る場面も多く、発見が遅れれば行方不明者の生存確率は下がっていきます。
繰り返されてきた海難事故
フィリピンは7000を超える島からなる群島国家で、国内移動における船の比重が大きい国です。その分、過去にも大きな海難事故を経験してきました。1987年に起きたドニャ・パス号の事故では4000人以上が犠牲になったとされ、平時の海難事故としては世界最悪級と位置づけられています。以来、定員管理や安全基準の強化が繰り返し課題として挙げられてきましたが、老朽船の使用や悪天候下の運航などが指摘される事故は今も起きています。
今後の焦点
当面の焦点は、行方不明者の捜索と犠牲者数の確定、そして出火原因の究明です。乗客名簿の正確性が捜索の前提になるため、名簿と実際の乗船者数に食い違いがなかったかどうかも、フィリピンの過去の事故では繰り返し論点になってきました。日本から同地域を訪れる旅行者にとっても、離島間の船便を利用する際の安全情報の確認は他人事ではありません。
※本記事はフィリピンの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:The Guardian




