
この記事のポイント
- 中国メディアが習近平主席の提唱する「大BRICS協力」を一斉に報じ、高評価だと伝えている。
- BRICSは拡大を続けており、パートナー国も含む広い協力の輪づくりが構想の核心にある。
- 「広く称賛」は中国側の発信であり、海外や参加国内部の受け止めには温度差がある点に注意。
中国メディアが一斉に取り上げた「大BRICS協力」
中国の国営通信・新華社をはじめとする主要メディアが、習近平国家主席の提唱する「大金磚合作(大BRICS協力)」を相次いで報じ、国際社会から高い評価を受けていると伝えています。「グローバルサウスの団結と自立自強の新たな章を共に書く」といった表現が見出しに並び、中国外交の重点がどこにあるのかを分かりやすく示す内容となっています。
BRICS(ブリックス)とは、ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカの5か国の頭文字を取った枠組みで、近年はエジプト、エチオピア、イラン、アラブ首長国連邦(UAE)などが加わり拡大しました。中国語では「金磚国家」(金のレンガの国々)と表記されます。「大BRICS協力」とは、この拡大したメンバーに加え、パートナー国や賛同する途上国まで含めた、より広い協力の輪をつくろうという構想を指す言い方です。
「グローバルサウス」という言葉の重み
「グローバルサウス(全球南方)」は、アジア・アフリカ・中南米などの新興国・途上国を広くまとめて指す言葉です。日本でも近年よく使われるようになりましたが、中国の文脈では単なる地理区分ではなく、「欧米中心の国際秩序に対して、発展途上国が自らの発言権を高めていく」という政治的な意味合いを強く帯びています。
中国は自らを「最大の発展途上国」と位置づけ、グローバルサウスの代弁者としての立場を繰り返し打ち出してきました。今回の報道で「団結自強(団結して自ら強くなる)」というフレーズが前面に出ているのも、そうした自己規定の延長線上にあると読み取れます。国連やIMF(国際通貨基金)といった既存の国際機関における新興国の投票権拡大、現地通貨での貿易決済の拡大なども、この文脈でしばしば議題に上がるテーマです。
国内向けメッセージという側面
注意したいのは、こうした報道が中国国内の官製メディアによるものであり、「広く称賛されている」という評価自体が中国側の発信である点です。海外での受け止め方は国や立場によって大きく異なり、拡大したBRICS内部でも、反欧米色をどこまで強めるかについて温度差があると一般に指摘されています。
それでも、中国が国内外に向けてこのメッセージを繰り返す意味は小さくありません。米国との対立が長期化するなかで、中国は「孤立していない」「多くの国が中国とともにある」という構図を示したい。そうした意図がにじむ発信と見ることができます。
日本の読者にとっての意味
日本はG7の一員であり、BRICSとは異なる陣営に立っています。ただ、グローバルサウスの国々は日本にとっても重要な貿易相手であり、サプライチェーンの要でもあります。中国がこの層への働きかけを強めることは、日本企業の事業環境にも中長期的に影響しうる動きです。
中国メディアの報道はあくまで中国側の視点によるものですが、「どこに力を入れようとしているか」を知る手がかりにはなります。数字や具体的な合意内容よりも、繰り返される言葉づかいそのものに注目して読むと、中国外交の方向性が見えてきます。
※本記事は中国の現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:新华网




