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イスラエル国防予算増額をめぐる攻防 野党ラピド氏が突きつけた条件

イスラエルで2026年度予算の再編成を国防費増額のために行うかが争点に。ネタニヤフ首相の協力要請に、野党のラピド氏は連立政党向け予算の廃止を条件として提示した。

イスラエル国防予算増額をめぐる攻防 野党ラピド氏が突きつけた条件
🔥🔥 ローカル度・高

この記事のポイント

  • イスラエルで成立済みの2026年度予算を組み替え、国防費を増やすかが政治の焦点になっている。
  • ネタニヤフ首相の協力要請に対し、野党のラピド氏は連立政党向け予算の廃止を条件に掲げた。
  • 安全保障の要請と、超正統派への予算配分という長年の対立点が正面からぶつかる構図だ。
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国防費の増額をめぐり、首相が野党に協力を要請

イスラエルで、すでに成立している2026年度予算を年度途中で「開ける」(組み替える)べきかどうかをめぐる攻防が続いている。目的は国防費、すなわちイスラエル国防軍(IDF、ヘブライ語の略称でツァハル)向けの予算を積み増すことだ。現地経済紙グローブスやTheMarker、ニュースサイトynet、マコ、日刊紙マアリブなどが相次いで報じている。

報道によれば、ネタニヤフ首相は野党第一党を率いるヤイル・ラピド氏に対し、予算の再編成への支持を求めた。ラピド氏は元ジャーナリスト出身の政治家で、2022年に暫定的に首相を務めた経験を持つ、現在の反ネタニヤフ陣営の中心人物の一人である。

ラピド氏の答えは「条件付き」

ラピド氏の回答は、要請をそのまま受け入れるものではなかった。報道で伝えられている彼の立場は、連立政権の各党に配分されるいわゆる「連立予算」、とりわけ超正統派(ハレディム)向けの予算を取りやめるのであれば、国防費増額には協力する、というものだ。

「連立予算」は日本ではあまり馴染みのない概念だが、イスラエルの政治では連立を組む際に各党が自党の支持基盤向けの事業や機関に予算を確保させる慣行を指す。超正統派政党の場合、宗教教育機関(イェシーバー)への補助などが典型例として長く議論の的になってきた。批判する側は「政権維持のためのばらまき」と位置づけ、擁護する側は正当な政策予算だと反論する構図が続いている。

なぜ野党の協力が必要なのか

ここで疑問になるのは、政権側がなぜわざわざ野党に頭を下げるのかという点だ。一般論として、イスラエルの国会クネセト(定数120)で成立している予算を年度途中で組み替えるには、あらためて法案審議と採決が必要になる。連立内部で調整がつかない項目が含まれる場合、与党だけでは票が読めず、野党の賛成や棄権が事実上の鍵を握る場面が生じうる。今回の首相からの要請も、そうした議席計算を背景にしたものとみるのが自然だろう。ただし個々の議席数の内訳や採決日程については、報道からは確定的なことは言えない。

安全保障と「政治のコスト」がぶつかる

報道の一部では、参謀総長代理(副参謀総長)が政治家に対して国防予算の必要性を説明したとも伝えられている。軍側が必要性を訴える一方、その財源をどこから出すのかという問いが、そのまま連立政治の構造に突き刺さっているかたちだ。

この構図は、イスラエルの政治を理解する上で分かりやすい入り口でもある。安全保障の要請は与野党が原則として共有する一方、超正統派への予算や兵役免除の扱いは、社会を二分する長年の対立点であり続けてきた。国防費を増やすという「合意しやすいテーマ」が、結果として最も合意しにくいテーマの扉を開けてしまう——今回の攻防は、そうした構造をあらためて映し出している。

今後の展開は、政権側が連立内部の反発を抑えてまで妥協に踏み込むかどうかにかかる。現時点で結論は出ておらず、交渉の行方を見守る段階だ。

※本記事はイスラエルの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。

📰 情報ソース:globes.co.il

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