
この記事のポイント
- 中国黒龍江省の鶏西市で、共青団の団員と青年を対象にした九一八の愛国主義教育行事が開かれた。
- 9月18日は1931年の柳条湖事件の日で、中国では抗日戦争の起点として毎年各地で追悼行事が行われる。
- 2024年施行の愛国主義教育法の下、地方の青年組織レベルでも歴史教育の行事が積み重ねられている。
中国東北部・黒龍江省の鶏西(けいせい、中国語読みジーシー)市で、共産主義青年団(共青団)の団員や地元の若者を対象にした「勿忘九一八(九一八を忘れるな)」と題する愛国主義教育の模範行事が行われた、と現地報道が伝えた。9月18日という日付に合わせた取り組みで、地元の青年組織が主導する形で実施されたとされる。参加人数や具体的なプログラムについては、現地報道からは詳細を確認できない。
「九一八」とは何の日か
1931年9月18日、当時の奉天(現在の遼寧省瀋陽)郊外・柳条湖付近で南満州鉄道の線路が爆破され、これを機に日本の関東軍が軍事行動を開始した。日本では「満州事変」の発端として知られ、中国では「九一八事変」と呼ばれる。中国では現在、この日を日本の侵略に対する抗戦の起点と位置づけており、毎年瀋陽の記念館では鐘が打たれ、各地で防空警報が鳴らされるなど、追悼と記憶の継承を目的とした行事が広く行われている。今年の9月18日も、その延長線上にある年中行事的な性格が強いとみられる。
鶏西市はどんな都市か
鶏西市は黒龍江省の東部、ロシアとの国境に近い位置にある石炭産業で知られる都市。日本ではほとんど知られていないが、人口規模は日本の県庁所在地クラスにあたる。中国東北部は1932年以降、日本が建てた「満洲国」の版図に含まれた地域であり、この地方でも戦争の記憶は地域史として語られてきた。瀋陽のような「主会場」ではない地方都市でも、同種の行事が積み重ねられている点が今回の報道のポイントといえる。
共青団と「愛国主義教育」
共青団は中国共産党の青年組織で、おおむね10代から20代の若者を対象とする。学校や職場に基層組織を持ち、思想教育や社会奉仕活動の担い手となっている。中国では2023年に愛国主義教育法が成立し、2024年から施行された。学校教育や青年組織を通じた歴史教育・愛国教育の体系化が進められており、今回の行事もその枠組みの中に位置づけられる可能性が高い。見出しにある「示範(模範)活動」という表現は、他の地域や下位組織が参考にするモデルケースとして開催されたことを示す言い回しと考えられるが、その具体的な基準は明示されていない。
日本の読者が押さえておきたい点
日本のメディアで9月18日が取り上げられる場合、瀋陽の大規模式典や政府レベルの発言が中心になりやすい。一方で実際には、地方都市の青年組織レベルで多数の行事が行われており、そこで歴史がどう語られるかが若い世代の対日認識を形づくる土台になっている。日本側の史実理解と中国側の位置づけには差がある部分もあるため、こうした地方の動きを断定的に評価するのではなく、まず「どのような形で記憶が継承されているのか」を知る材料として捉えるのが妥当だろう。
※本記事は中国の現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:中国青年网




