
この記事のポイント
- ベトナム最大の都市ホーチミン市で豪雨により道路が広範囲に冠水したと現地報道が伝えた。
- 車が水中で立ち往生し、バイクが水流に押されて転倒するなど交通に大きな影響が出た。
- 低い標高や急速な都市化による排水能力の不足が、雨季ごとの冠水の背景にあるとされる。
道路が「川のよう」に――ホーチミン市を襲った豪雨
ベトナム南部の最大都市ホーチミン市で、激しい雨によって市内の道路が広範囲に冠水したと現地メディアが伝えています。現地報道は冠水した道路の様子を「川のよう」と表現し、水に浸かった車が動けなくなったり、バイクが水の流れに押されて転倒したりする光景が確認されたとしています。帰宅時間帯と重なった場所では、渋滞と冠水が重なって通行に長時間を要したという住民の声も報じられました。
ホーチミン市とはどんな都市か
ホーチミン市は旧サイゴンとして知られる、人口900万人規模とされるベトナム最大の経済都市です。首都は北部のハノイですが、経済の中心は南部のホーチミン市にあり、日系企業の進出も多い地域です。市街地はメコンデルタに近い低平地に広がり、標高がきわめて低いエリアが多いことから、もともと水はけの問題を抱えやすい地形にあります。
また、ベトナム南部は5月ごろから11月ごろにかけての雨季と、それ以外の乾季に分かれるのが一般的です。雨季には午後から夕方にかけて短時間に激しく降る「スコール」型の雨が多く、9月はその雨季のただ中にあたります。今回のような冠水は、こうした季節的な降雨パターンと重なって起きたとみられます。
なぜ冠水が繰り返されるのか
ホーチミン市の冠水は、雨季になるたびに現地で話題になる恒例の課題です。個別の原因は報道からは断定できませんが、一般論として、低い標高、急速な都市化による地表のコンクリート化で雨水が地面に浸透しにくくなっていること、排水路の容量不足やごみの詰まり、地盤沈下、さらに潮位の高い時期には河川の水位上昇によって排水がはけにくくなることなどが、専門家によってたびたび指摘されてきました。市当局は長年にわたり排水整備や治水事業を進めていますが、都市の拡大に対策が追いつかない構図が続いていると報じられています。
市民生活への影響とバイク社会ならではのリスク
ベトナムの都市交通は、バイクが主役です。通勤・通学から買い物、配達まで日常の移動の多くをバイクが担っており、自動車中心の日本とは事情が異なります。そのため道路が冠水すると、影響は日本以上に直接的です。水深が増せばエンジンに水が入って動かなくなり、流れが強ければ今回のように車体ごと押し倒される危険もあります。感電や、ふたの外れたマンホールへの転落といった二次的なリスクも、雨季の冠水時にはたびたび注意喚起されています。
日本の読者が知っておきたい視点
短時間の激しい雨による都市型水害は、日本でも「ゲリラ豪雨」として身近な問題です。ホーチミン市の事例は、急成長するアジアの大都市が共通して直面する、都市開発のスピードとインフラ整備のギャップという課題を映しています。現地に駐在する日本人や出張者にとっては、雨季の夕方の移動を避ける、冠水した道路には無理に進入しないといった基本的な備えが、そのまま安全対策につながります。
※本記事はベトナムの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:Báo VietNamNet




