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フィリピン副大統領の「事業保有」問題、SEC幹部が弾劾裁判で証言

サラ・ドゥテルテ副大統領が就任後も事業持ち分を手放していなかったとの証言が、フィリピンのSEC幹部から示された。憲法上の兼業禁止規定との関係が焦点となっている。

フィリピン副大統領の「事業保有」問題、SEC幹部が弾劾裁判で証言
🔥🔥 ローカル度・高

この記事のポイント

  • フィリピンのSEC幹部が、副大統領の事業撤退の記録は存在しないと弾劾審理で証言した。
  • 憲法は大統領・副大統領らに在任中の事業保有を厳しく制限し、持ち分の放棄まで求めている。
  • 弾劾は下院が訴追し上院が審理する仕組みで、政治的対立の文脈も色濃く絡んでいる。
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副大統領の「事業からの撤退」が争点に

フィリピンで、サラ・ドゥテルテ副大統領をめぐる弾劾手続きの審理において、同国の証券取引委員会(SEC=企業の登記・監督を担う政府機関で、日本の金融庁と法務局の企業登記機能を合わせたような役割を持つ)の幹部が証言し、注目を集めている。争点は、副大統領が公職に就いた後も民間企業の持ち分(株式など)を保有し続けていたのではないか、という点だ。

現地報道によると、SEC側の証人は、副大統領が事業上の利害関係を手放した(ダイベストメント=持ち分の売却・譲渡による撤退)ことを示す記録は同委員会に残っていない、と述べたとされる。さらに別のSEC幹部は、副大統領は公職者として事業から撤退する義務があることを当然知っていたはずだ、という趣旨の見解を示したと伝えられている。

なぜ「持ち分を手放す」必要があるのか

フィリピンの憲法では、大統領・副大統領および閣僚級の公職者について、在任中の兼業や民間事業への関与に厳しい制限が課されている。これは、公権力を握る人物が私的な事業利益を同時に持つことによる利益相反を防ぐための仕組みだ。日本でも国会議員や公務員に一定の兼職制限があるが、フィリピンの規定は大統領・副大統領クラスに対してとりわけ広範で、「利害関係そのものを手放す」ことまで求める点に特徴がある。

この規定に反した場合、それが直ちに刑事罰につながるとは限らないものの、「憲法違反」「公職者としての信任違反」として弾劾の理由に位置づけられ得る。今回の証言が重く受け止められているのは、そのためである。

ドゥテルテ家と政局の文脈

サラ・ドゥテルテ氏は、強硬な「麻薬戦争」で知られたロドリゴ・ドゥテルテ前大統領の娘で、南部ミンダナオ島の都市ダバオ市長を務めた後、2022年に副大統領に就任した。当初はマルコス大統領との「連合」で当選したが、その後、両陣営の関係は急速に悪化。弾劾手続きは、こうした政治的対立の延長線上にあるという見方が、現地でも一般的だ。

ただし、今回問題になっている事業保有は、政局とは別に、制度上の要件を満たしていたかどうかという事実認定の問題でもある。審理では、副大統領と関係があるとされる企業の支配関係や、共同経営者とされる人物の役割などにも関心が向けられているとされるが、個々の関係の実態は審理を通じて確定されるべき段階にあり、現時点で断定的に評価することはできない。

今後の見方

フィリピンの弾劾は、下院が訴追し、上院が裁判所として審理・評決する二段構えの仕組みで、有罪には上院の相当数の賛成が必要とされる。したがって、証言の一つひとつがそのまま結論に直結するわけではなく、最終的には政治的な数合わせの要素も大きい。とはいえ、公職者の資産・事業の透明性をめぐる議論が、東南アジアの主要民主主義国で正面から問われている点は、日本の読者にとっても注目に値する。

※本記事はフィリピンの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。

📰 情報ソース:Inquirer.net

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