
この記事のポイント
- 野党指導者の会合前、ガンツ氏がラピド元首相宅前にトラックを置き「イスラエルを停滞させている」と批判した。
- 変革ブロックの指導者らは数カ月ぶりに会合し、政権交代を目指す共同の「原則文書」に署名した。
- 総選挙を控え野党結集は一歩前進したが、首相候補の一本化など主導権争いの課題は残る。
ラピド氏宅前に現れたトラック
イスラエルで、野党勢力の結集をめぐる駆け引きが注目を集めている。現地メディアのynetによると、野党連合「変革ブロック」の指導者らがヤイル・ラピド元首相の自宅で会合を開くのを前に、ベニー・ガンツ氏が同宅の前にトラックを配置した。トラックには「イスラエルを停滞させている」という趣旨のメッセージが掲げられ、野党指導者らの足並みの乱れを批判する狙いがあったとみられる。
ガンツ氏は元参謀総長で、これまで複数の政権で国防相などを務めた中道政治家だ。ラピド氏は中道政党「イェシュ・アティド」の党首で、2022年には首相を務めた。両氏はともにネタニヤフ首相に対抗する野党の中心人物とされてきたが、今回の演出は野党内部の緊張を象徴する出来事として受け止められている。
数カ月ぶりの会合と「原則文書」
報道によると、変革ブロックの指導者らが顔をそろえるのは数カ月ぶりで、会合後には共同の「原則文書」が発表された。文書では次の選挙を「国家の運命を左右する重大な選挙」と位置づけ、現政権の交代を目指す方針を確認したとされる。また、指導者らは共同写真を公開し、「今日からは互いを攻撃しない」と宣言したと伝えられている。
「変革ブロック」とは、ネタニヤフ首相率いる右派・宗教政党の連立に対抗する野党勢力の総称で、中道から右派、左派まで幅広い政党を含む。一部の現地報道は、元参謀総長のガディ・アイゼンコット氏を軸にした勢力という意味で「アイゼンコット・ブロック」とも呼んでいる。
背景にある野党の主導権争い
イスラエルでは近く総選挙が予定されており、野党側はネタニヤフ政権に代わる受け皿づくりを急いでいる。しかし、誰が首相候補になるのか、どの政党が主導権を握るのかをめぐって足並みはそろっていない。ガンツ氏のトラックによる抗議は、こうした調整の遅れへの不満の表明と受け取られている。ただし、ガンツ氏と会合参加者との関係や、トラック設置の経緯については、現時点の報道から詳細を断定できない部分がある。
原則文書への署名は野党結集への一歩と評価できる一方、選挙協力の具体的な形や首相候補の一本化といった難題は残る。今後、各党が「互いを攻撃しない」という約束を実際に守れるかが、野党勢力の結束を測る試金石となりそうだ。
※本記事はイスラエルの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:ynet.co.il




