
この記事のポイント
- イエメン政府軍が、南西部タイズでイラン人のミサイル・ドローン専門家4人を殺害したと発表した。
- 政府軍は72時間で756回の攻撃を行ったとしているが、これは一方の当事者の発表で、独立した検証はされていない。
- フーシ派のミサイルやドローンの攻撃を受けてきたサウジアラビアでは、イランの関与を示す話として大きく報じられた。
イエメン政府軍が「イラン人専門家の殺害」を発表
イエメン政府側の軍が、同国南西部のタイズ州でイラン人の専門家4人を殺害したと発表しました。4人はミサイルと無人機(ドローン)の技術を持つ人物だったとされています。サウジアラビアでは、衛星テレビ局アル・アラビーヤ、ニュースサイトのサブク、日刊紙アル・リヤドなど主要メディアが相次いで報じました。
軍の発表によると、直近72時間でフーシ派に対する攻撃を756回行い、2316人のフーシ派戦闘員を「無力化」したということです。ただし、これらはいずれも政府軍側の発表です。4人の氏名や所属、死亡した状況の詳細は明らかになっておらず、第三者による独立した確認もされていません。
タイズとイエメン内戦の構図
タイズはイエメン第3の都市とされ、紅海に近い南西部にあります。2015年ごろからフーシ派と政府側が激しく争ってきた最前線で、長い間フーシ派に包囲されてきたことで知られています。
フーシ派は、イスラム教シーア派の一派であるザイド派を基盤とする武装組織です。2014年に首都サヌアを制圧しました。これに対し、隣国のサウジアラビアは2015年、国際的に承認された政府を支援するため、有志連合を率いて軍事介入しました。サウジアラビアやアメリカは、イランがフーシ派に武器や技術を提供していると繰り返し批判してきました。一方、イランは直接の軍事支援を否定しています。
サウジアラビアで注目される理由
サウジアラビアは過去に、フーシ派が発射したミサイルやドローンで国内の空港や石油施設を攻撃された経験があります。そのため、フーシ派の「ミサイル・ドローン能力」やその背後にあるとされるイランの関与は、国民の関心が非常に高い話題です。今回の発表をサウジのメディアが大きく扱ったのも、イランの関与を裏付ける材料として受け止められた面があるとみられます。
一方、英BBCのアラビア語放送は、タイズ州の複数の前線で政府軍の空爆が激しくなり、戦闘の激化で住民の生活がさらに苦しくなっていると伝えています。戦果をめぐる発表が注目を集める一方で、現地の人道状況にも目を向ける必要がありそうです。
今回の発表に対するフーシ派やイラン側の公式な反応は、現時点の報道からは確認できません。事実関係の検証が今後の焦点になるとみられます。
※本記事はサウジアラビアの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:العربية




