
この記事のポイント
- ミレイ大統領が財政緊縮を長期的に続ける考えを示し、左派系紙は「あと40年の緊縮」と批判的に報じた。
- 就任以来の歳出削減でインフレ抑制などを成果とする一方、年金生活者などへの負担が重いとの批判も根強い。
- 2027年の大統領選を「繁栄か衰退か」の選択と位置づけ、再選に向けた論戦が事実上始まった。
「緊縮はまだ続く」大統領発言が波紋
アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領が、財政の引き締め(緊縮)を今後も長期にわたって続ける考えを示しました。左派系の有力紙「ページナ12(Página/12)」は、この発言を「ミレイ氏はさらに40年の緊縮を約束した」という見出しで批判的に伝えています。アルゼンチンでは「アフステ(ajuste=調整)」という言葉が、歳出削減や補助金カットなど国民に負担を求める緊縮策を指す言葉として広く使われています。
報道によると、ミレイ氏は企業経営者らを前にした場などで経済政策の成果を強調しました。そのうえで、2027年に予定される次の大統領選挙について、国民は「繁栄の道」と「衰退の道」のどちらを選ぶのかを決めることになると訴えたと伝えられています。
「チェーンソー」で進めてきた改革
ミレイ氏は2023年12月に就任した経済学者出身の大統領で、「小さな政府」を掲げるリバタリアン(自由至上主義者)として知られます。選挙戦ではチェーンソーを掲げ、肥大化した国家支出を「切り刻む」と訴えました。就任後は省庁の統廃合、公共事業の凍結、補助金の削減などを進め、長年の課題だった財政赤字の解消や高インフレの抑制を最大の成果としてアピールしています。
一方で、急激な歳出削減は年金生活者や公務員、大学関係者などの生活を直撃し、各地で抗議行動も起きてきました。政権に批判的なメディアや野党は、成果の陰で国民の負担が重くなっていると指摘しています。
「40年」という言葉の意味
ミレイ氏はこれまでも、アルゼンチンが再び世界有数の豊かな国になるには数十年単位の改革が必要だという趣旨の発言を繰り返してきました。20世紀初頭に世界有数の豊かな国だったアルゼンチンが、その後長い衰退をたどったという歴史観が背景にあります。今回の「40年」という表現も、長期的な改革の継続を求める文脈で語られたものとみられますが、批判的な立場からは「国民に終わりの見えない我慢を強いるもの」と受け止められています。発言の正確な言い回しや意図については、報道機関によって伝え方に違いがある点にも注意が必要です。
選挙モードに入る政権
2027年の大統領選はまだ先ですが、ミレイ氏の発言は事実上、再選に向けた論戦の始まりと受け止められています。経済の安定を実感できるかどうかが、改革路線の継続を国民が支持するかを左右するとみられ、今後の景気や生活実感の変化が注目されます。
※本記事はアルゼンチンの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:Página|12




