
この記事のポイント
- コロンビアの有力誌セマナが、国家情報局DNIがペトロ政権下で「政治警察」化していたと報じた。
- 報道の根拠は、デ・ラ・エスプリエジャ氏が命じた法科学監査で、具体的な中身は今後の焦点となる。
- DNIの前身DASは違法盗聴事件で解体されており、情報機関の政治利用は特に敏感な問題だ。
情報機関が「政治警察」に? 有力誌が監査結果を報道
南米コロンビアで、国の情報機関である国家情報局(DNI)をめぐる報道が波紋を広げています。同国の有力週刊誌「セマナ(Semana)」は、DNIがグスタボ・ペトロ政権の時代に「政治警察」のようになっていたと報じました。根拠として挙げたのは、アベラルド・デ・ラ・エスプリエジャ氏の指示で行われた法科学監査(フォレンジック監査)です。セマナはこの監査を「スキャンダラス」と表現しています。
「政治警察」とは、国の安全を守るためではなく、時の政権の政治的な目的のために、批判者や対立勢力を監視・調査する治安・情報組織を指す言葉です。報道の見出しからは、DNIの活動が本来の任務から外れ、政治的に利用されていた疑いがあると読み取れます。ただし、具体的にどのような活動が問題とされたのか、誰が対象だったのかなどの詳しい内容は、現時点で入手できる要約からは確認できません。
DNIとはどんな組織か
DNIは2011年に発足した大統領直属の情報機関です。その前身にあたる行政安全局(DAS)は、2000年代に裁判官やジャーナリスト、野党政治家などを違法に盗聴していた問題(スペイン語で「チュサダス」と呼ばれる)が発覚し、解体されました。DNIはその反省から生まれた組織で、情報機関の政治利用はコロンビア社会にとって特に敏感なテーマです。今回の報道が大きく注目されている背景には、こうした過去があります。
関係する人物と政治の背景
ペトロ氏は元ゲリラ組織M-19の出身で、2022年にコロンビア史上初の左派大統領として就任し、2026年8月まで任期を務めました。一方、デ・ラ・エスプリエジャ氏は弁護士出身の右派の政治家で、2026年の大統領選挙でペトロ政権を強く批判した人物として知られています。今回の監査をどのような立場・権限で命じたのか、その詳細は報道の要約からは確認できません。
なお、セマナ誌は近年、ペトロ政権に批判的な論調で知られています。監査結果の評価をめぐっては、ペトロ氏や前政権の関係者から反論が出る可能性もあり、双方の主張を見ていく必要があります。
今後の焦点
一般論として、こうした監査報道のあとは、検察当局や議会による調査に進むかどうかが焦点になります。左右の政治的な対立が激しいコロンビアでは、情報機関の扱いが政権交代後の大きな争点となりやすく、今回の報道も今後の政治の動きに影響を与えるとみられます。
※本記事はコロンビアの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:Revista Semana




