
この記事のポイント
- テルアビブ行きのフライドバイ機で操縦士が襲われ、サウジアラビアのタブークに目的地を変えて着陸した。
- ネタニヤフ首相が対応したインド人機長を「真の英雄」とたたえ、イスラエルに招いたことがインドで話題になっている。
- 事件にはインドやUAE、イスラエルなど6カ国が関わり、イスラエルは各国の協力をアピールする発信もしている。
「真の英雄」とたたえられたインド人機長
イスラエルのネタニヤフ首相が、格安航空会社フライドバイ(flydubai)のインド人機長を「真の英雄」とたたえ、イスラエルに招待しました。インドの英字紙「ザ・ヒンドゥー」などが報じ、インド国内で関心を集めています。フライドバイは、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ政府が持つ格安航空会社で、中東や南アジアに多くの路線を持っています。
テルアビブ行きの便で何が起きたのか
航空機の位置情報サービス「フライトレーダー24」などによると、問題の便はイスラエルのテルアビブに向かっていましたが、機内で操縦士が襲われ、サウジアラビア北西部のタブークに目的地を変えて着陸しました。タブークはヨルダンとの国境に近い地方都市です。米CNNは、容疑者のSNSからテロ組織に関係する画像が見つかったと伝えています。ただ、容疑者の国籍や動機、乗客・乗員の被害、機長が具体的にどう対応したのかについては、今回の報道の範囲では詳しく確認できていません。
6カ国が関わった事件
インド紙「タイムズ・オブ・インディア」は、この事件にインド、UAE、サウジアラビア、イスラエル、オマーン、オーストラリアの6カ国が関わったと報じています。航空会社の拠点はUAE、行き先はイスラエル、着陸地はサウジアラビア、機長はインド人です。オマーンとオーストラリアがどう関わったのかは、手元の情報だけでは分かりません。国際線では、乗員・乗客の国籍、飛ぶ空域、着陸地がそれぞれ別の国になることが多く、1つの事件が多くの国の外交や捜査に関わることは珍しくありません。
外交メッセージとしての「招待」
インドの放送局NDTVは、イスラエル側がこの件について「イスラエル人、エミラティ(UAE国民)、インド人がテロに立ち向かう」という趣旨の発信をしたと伝えています。イスラエルとUAEは2020年の「アブラハム合意」で国交を結び、その後、両国間の直行便が増えました。インドも近年、イスラエルやUAEと経済・安全保障の関係を強めています。今回の機長への招待には、個人の勇気をたたえるだけでなく、これらの国々の協力をアピールするねらいもあると考えられます。ただし、これは編集部の見方であり、イスラエル政府が公式にそう説明しているわけではありません。
インドで注目される理由
中東の航空会社では、インド人の操縦士や客室乗務員がたくさん働いています。そのため、海外でのインド人の活躍は、インド国内で誇らしいニュースとして大きく取り上げられやすい傾向があります。機長の招待が実際にいつ実現するのか、事件の捜査がどう進むのかに注目が集まっています。
※本記事はインドの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:The Hindu




