
この記事のポイント
- スウェーデンのシグトゥーナで、犯罪の疑いがある3人目の生徒が勾留され、捜査が広がっている。
- 検察は生徒の間に「隠れた権力システム」があるとみており、学校の理事会は寄宿環境のリスクを認識していると述べた。
- 「暴力は受け継がれる」との論評や「どんな文化も暴力を正当化しない」という弁護士の発言が出ている。
3人目の生徒が勾留
スウェーデンの首都ストックホルムの北にある町シグトゥーナで、犯罪の疑いをかけられた3人目の生徒が勾留されたと、公共放送SVTなどが報じました。生徒が身柄を拘束されるのは今回で3人目となり、捜査が広がっていることがうかがえます。容疑の具体的な内容や生徒の年齢など詳細は、今回の報道の要約からは確認できていません。
スウェーデンでいう「勾留(häktning)」は、検察官の請求を受けて裁判所が決める身柄拘束です。証拠隠滅や逃亡、再犯のおそれがあると判断された場合に認められます。勾留されたことは有罪が確定したという意味ではなく、捜査が続く段階での措置です。
検察「隠れた権力システム」
大衆紙アフトンブラーデットによると、担当の検察官は学校内に「隠れた権力システム」があるとみています。生徒の間に、外からは見えにくい上下関係や支配の仕組みがあり、それが事件の背景にあったのではないかという見方です。ただ、その仕組みが実際にどのようなものかは、現時点の報道からはわかりません。
学校の理事会は、寄宿学校の環境にはリスクがあることを「認識している」とコメントしたと伝えられています。報道からは、生徒が親元を離れて共同生活する寄宿制の学校が舞台とみられます。シグトゥーナは、国王カール16世グスタフも学んだ名門の寄宿学校がある町として知られています。
「暴力は受け継がれる」という指摘
今回の事件をきっかけに、メディアでは学校の文化そのものを問う議論も起きています。有力紙スヴェンスカ・ダーグブラーデットのコラムは「学校の暴力は世代を超えて受け継がれているように見える」と論じました。上級生から受けた扱いを、下級生に対して繰り返してしまう連鎖を示唆したものとみられます。
また、著名な弁護士マッシ・フリッツ氏は、タブロイド紙エクスプレッセンで「どんな文化も暴力を正当化しない」と述べ、伝統や校風を理由に暴力が見過ごされてはならないと強調しました。
背景にある寄宿学校の課題
スウェーデンでは昔から、学校で上級生が下級生を支配したり、いじめや「しごき」をしたりする行為が問題になってきました。こうした行為には「ペナリズム(pennalism)」という言葉もあります。閉じた共同生活の場では、こうした行為が外に知られにくいと一般に指摘されています。今回の事件が同じ構造によるものかどうかは捜査の結果を待つ必要がありますが、伝統校での生徒の安全をどう守るかが、改めて問われることになりそうです。
※本記事はスウェーデンの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:SVT Nyheter




