
この記事のポイント
- 訴追側が弾劾訴追の4項目のうち3項目を取り下げ、弾劾裁判所(上院)がこれを認めた。
- 残る争点は「説明のつかない資産」の1項目だけになり、訴追側は立証を終えた。
- 弁護側は審理途中の取り下げを「不公平」と批判し、審理が無効になるおそれがあると主張している。
4項目のうち3項目を取り下げ
フィリピンのサラ・ドゥテルテ副大統領の弾劾裁判で、訴追側は弾劾訴追の4項目のうち3項目を取り下げると申し立てました。弾劾裁判所はこれを認め、審理で争うのは「説明のつかない資産(不正蓄財)」に関する1項目だけになりました。現地の大手紙インクワイアラーなどが伝えています。現地メディアによると、訴追側はこれで立証を終えています。
フィリピンの弾劾制度とは
フィリピンでは、大統領・副大統領・最高裁判事などの高官を辞めさせる手段として、憲法に弾劾の仕組みがあります。下院が訴追を決め、上院が「弾劾裁判所」となって審理します。上院議員が裁判官役を務め、下院議員の中から選ばれた検察官チームが訴追側に立ちます。有罪にするには上院議員の3分の2以上の賛成が必要です。有罪になれば職を失い、その後も公職に就けなくなります。
サラ・ドゥテルテ氏は、強硬な麻薬取り締まりで知られるロドリゴ・ドゥテルテ前大統領の長女です。2022年の選挙では、マルコス大統領と組んで副大統領に当選しました。その後、両家の関係は崩れ、激しく対立するようになりました。同氏は次の大統領選の有力候補とされており、弾劾裁判の結果は今後の政局を大きく左右するとみられています。
弁護側は「不公平」と反発
ABS-CBNの報道によると、副大統領の弁護側は、審理の途中で3項目を取り下げるのは「不公平」だと反発しています。審理が無効になる(ミストライアル)おそれがあるとも主張しています。弁護側は、取り下げられた項目を前提に反論の準備を進めてきたとみられます。手続きの公正さを今後も問題にする可能性があります。
訴追側が項目を絞った理由は、元ネタの見出しからは詳しく分かりません。一般論として、弾劾裁判では、証拠が十分な項目に集中して有罪の可能性を高めようとすることがあります。ただ、今回がそうした狙いによるものかどうかは、今後の報道を待つ必要があります。
焦点は「資産の説明」に
これからの審理では、副大統領の資産が収入に見合っているかどうかが主な争点になります。フィリピンでは、公務員は資産・負債・純資産の申告書(SALN)を毎年出す義務があり、説明できない資産は弾劾や汚職訴追の根拠になりえます。訴追側が立証を終えたことで、審理は弁護側の反証の段階に進むとみられます。上院がどう判断するかに、国内の注目が集まっています。
※本記事はフィリピンの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:Inquirer.net




