
この記事のポイント
- デラエスプリエジャ大統領が、10月14日の抗議ストは混乱を狙うペトロ派が後押ししていると批判した。
- 平和的な抗議は権利として認める一方、道路の封鎖は許さないと警告し、強い姿勢を打ち出した。
- 暴力的な事態に政府が介入するための大統領令を擁護しており、政権と左派の対立が強まっている。
大統領が「ペトロ派」を名指しで批判
南米コロンビアで、10月14日に予定されている抗議行動と「パロ(paro)」をめぐり、政権と野党勢力の対立が激しくなっています。パロはストライキや抗議の動員を指し、コロンビアでは幹線道路の封鎖をともなうことが多い抗議の形です。アベラルド・デラエスプリエジャ大統領は、このストを後押ししているのは「ペトロ派(petrismo)」だとして、「混乱を引き起こす」ことが狙いだと強く批判しました。
ペトロ派とは、前大統領グスタボ・ペトロ氏を支持する左派勢力のことです。ペトロ氏はコロンビアで初めての左派大統領として2022年から政権を担いました。その後を継いだデラエスプリエジャ氏は、治安重視を打ち出す右派の弁護士出身の政治家で、政権が代わったことで左右の対立がいっそう目立つようになっています。
「平和的な抗議」は認め、封鎖は許さない
現地メディアによると、大統領は抗議の主催者に向けて「権利は平和的に行使してほしい」と呼びかけ、抗議すること自体は認める考えを示しました。その一方で、道路の封鎖は許さないとはっきり警告しています。また、暴力的な事態が起きたときに政府が介入できるようにする大統領令についても、必要な措置だとして擁護しました。どのような場合に、どこまで介入できるのかといった大統領令の細かい内容は、今回の報道の要約からは確かめられません。
背景にある抗議と治安の記憶
コロンビアでは2019年や2021年に、税制改革などへの反発から大規模な全国ストが起き、各地で道路の封鎖や治安部隊との衝突が続きました。物流が止まって食料や燃料が足りなくなる地域も出ました。こうした経験から、ストを「表現の自由」とみる立場と、「経済や市民生活への脅威」とみる立場がぶつかりやすく、政治的な立場の違いがそのまま評価の違いになりやすい傾向があります。
今回、大統領がストの背後に前政権の支持勢力がいると名指ししたことで、抗議の問題が与野党の政治対立と強く結びつきました。一般論として、政府が強い姿勢で臨むと抗議する側の反発を招き、緊張が高まるおそれもあります。10月14日の動員がどこまで広がるのか、そして政府が実際にどう対応するのかが当面の注目点です。
※本記事はコロンビアの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:La Silla Vacía




