
この記事のポイント
- ルビオ米国務長官が、インド西部にあるリライアンスの世界最大級の製油所を視察する予定だと報じられた。
- ルビオ氏は、リライアンスとベネズエラ産の重質原油の精製を増やす協議をしていると明らかにした。
- 米印の貿易協定は「妥結間近」とされ、米国はインドに米国産エネルギーと防衛装備の購入増を求めた。
国務長官が民間の製油所を訪れる
米国のマルコ・ルビオ国務長官がインドを訪れ、インド最大の民間企業リライアンス・インダストリーズが運営する製油所を視察する予定だと、現地メディアや中東の衛星テレビ局アルジャジーラが伝えています。この製油所は西部グジャラート州のジャムナガルにあり、1か所の製油所としては世界最大とされます。外交のトップが民間の製油所を訪れるのは異例で、現地では米印関係でエネルギーの比重が大きくなっていることを示す動きとして注目されています。
焦点はベネズエラ産原油
インド紙タイムズ・オブ・インディアによると、ルビオ氏は、リライアンスとベネズエラ産原油の精製を増やす話し合いをしていると明らかにしました。ベネズエラの原油は粘り気が強く硫黄分の多い「重質油」が中心で、精製には高度な設備が要ります。ジャムナガルの製油所はこうした原油を処理できる設備を持ち、リライアンスはこれまでもベネズエラ産原油を買ってきました。米国の制裁の強さによって取引は増えたり止まったりしてきた経緯があります。
米国がこの時期にリライアンスを相手に選んだ理由について、報道では細かい説明はありません。ただ、ベネズエラ産原油の行き先を、米国と関係の深い国の大型製油所へ向けたいという思惑があるとみる向きもあります。これは推測の域を出ませんが、インドにとっても、輸入先を広げることはエネルギー安全保障の面で利点があります。
貿易協定と「エネルギー・防衛の購入」
今回の訪問では、ジャイシャンカル外相との会談も行われ、貿易とエネルギーが主な議題になりました。印紙ザ・ヒンドゥーによると、ルビオ氏は米印の貿易協定が「妥結に近い」と述べ、インドに米国産のエネルギーや防衛装備品の購入を増やすよう求めました。インドのテレビ局NDTVは、ルビオ氏が両国は中核的な課題で「並外れた一致」を見せていると語ったと伝えています。
インドは世界有数の原油輸入国で、輸入先の選び方はそのまま外交の問題にもなります。米国はインドに対し、エネルギーの調達先を米国や友好国へ寄せるよう求めてきました。製油所の視察は、エネルギーの取引を貿易交渉全体の材料にしようとする米国の姿勢を表しているとも言えます。
今後の注目点
今後は、リライアンスがベネズエラ産原油の調達を実際にどこまで増やすか、そして米印の貿易協定が本当に妥結するかが焦点になります。米国の対ベネズエラ政策の行方によっては取引の条件が変わる可能性もあり、引き続き注意が必要です。
※本記事はインドの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:Al Jazeera




