
この記事のポイント
- サウジ主導の連合軍が、フーシ派が首都リヤドに向けて撃った弾道ミサイルを迎撃・破壊したと発表した。
- 連合軍は2015年からイエメン内戦に軍事介入し、北部を拠点とするフーシ派と対立が続いている。
- フーシ派はサウジ国内の都市や施設への越境攻撃を繰り返しており、中東の安定や原油市場にも関わる問題だ。
首都リヤドを狙ったミサイルを迎撃
サウジアラビア主導の連合軍は、イエメンの武装組織フーシ派が首都リヤドに向けて発射した弾道ミサイル1発を迎撃し、破壊したと発表しました。サウジの電子新聞「サブク」など現地メディアが、連合軍の発表として伝えています。現地の報道では、迎撃による被害の詳しい状況は明らかになっていません。
サウジの政府系メディアや連合軍は、フーシ派を「テロ民兵組織」と呼んでいます。これはサウジ側の公式の立場を表す言葉であり、国際社会全体で同じ呼び方が使われているわけではありません。
「連合軍」とフーシ派とは
ここでいう「連合軍」とは、サウジアラビアが中心となってつくった多国籍の軍事連合で、正式には「イエメン正統政府支援連合」と呼ばれます。2015年、イエメンの首都サヌアを制圧したフーシ派に対抗し、国際的に承認されたイエメン政府を支えるために軍事介入を始めました。
フーシ派は、イエメン北部を拠点とする武装組織で、自らは「アンサール・アッラー(神の支持者)」と名乗っています。サウジアラビアや米国などは、フーシ派がイランから武器や技術の支援を受けていると非難してきました。イラン側はこれを否定しており、双方の主張は対立しています。
繰り返されてきた越境攻撃
イエメン内戦が長引くなかで、フーシ派はサウジ国内に向けて弾道ミサイルや無人機(ドローン)による攻撃をたびたび行ってきました。標的とされてきたのは、首都リヤドのほか、イエメン国境に近い南部のジーザーンやハミース・ムシャイトなどの都市、空港、石油施設などです。サウジは防空システムを国内に配備し、こうした攻撃の多くを迎撃してきたと発表しています。
リヤドはサウジの政治・経済の中心で、人口も国内で最も多い都市です。国境から遠く離れた首都に向けた発射は、フーシ派が長い射程の兵器を持っていることを示すものとして、サウジ国内でも特に大きく報じられる傾向があります。
日本にとっての意味
サウジアラビアは日本にとって最大級の原油の輸入先です。サウジ国内の安全が揺らげば、エネルギー市場や原油価格への影響が心配されます。今回の迎撃は大きな被害には結びつかなかったとみられますが、イエメン情勢が中東全体の安定、ひいては日本のエネルギー事情とも無関係ではないことを改めて示した出来事だといえます。
イエメン内戦をめぐっては、国連などが仲介する和平への取り組みも続いてきました。ただ、軍事的な緊張が繰り返し高まっており、先行きは今も見通しにくい状況です。
※本記事はサウジアラビアの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:صحيفة سبق الإلكترونية




