
この記事のポイント
- 最高裁ソルベルグ判事の自宅が超正統派とみられるデモ隊に襲撃された
- デモ隊は窓を割るなどして侵入を試み緊急部隊が出動
- 司法制度改革を巡る対立が背景にあり法相は法務長官の責任に言及
イスラエル最高裁判事宅が襲撃、法務大臣が法務長官を非難
イスラエルで、最高裁判所のノアム・ソルベルグ判事の自宅が、数十人のハーレディー(超正統派ユダヤ教徒)とみられるデモ隊によって襲撃される事件が発生しました。デモ隊は窓を破壊し、植木鉢を倒すなどして侵入を試み、現場には緊急部隊も出動する事態となりました。体調を崩したソルベルグ判事のため医療チームが駆けつけ、判事の妻は「まるでクリスタルナハト(水晶の夜)のようだ」と事態の深刻さを訴えました。
高まる司法制度改革を巡る対立の影
この事件は、イスラエル国内で長らく続く司法制度改革を巡る深い対立のさなかで起きました。ヤリブ・レビン法務大臣は、この暴力的なデモについて、法務長官にも責任があると発言し、波紋を広げています。法務長官は、政府が推し進める司法制度改革に対してしばしば反対の立場を取っており、今回のレビン大臣の発言は、司法制度改革を巡る政府と司法当局、そして市民間の緊張関係を浮き彫りにしています。
「クリスタルナハト」発言の重み
ソルベルグ判事の妻が口にした「クリスタルナハト」とは、1938年にナチス・ドイツが行ったユダヤ人に対する大規模な迫害事件(ポグロム)を指します。この言葉が持ち出されたことは、今回の襲撃事件が単なるデモにとどまらず、家族の安全や社会の秩序そのものへの深刻な脅威として受け止められていることを示唆します。ハーレディー社会の一部は、伝統的な価値観や宗教的法規の尊重を強く求め、世俗的な最高裁判所の権限縮小を支持する傾向にあります。
社会の分断と法秩序への懸念
今回の事件は、イスラエル社会の分断が深刻化している現状を改めて示しています。最高裁判事の自宅が直接的な暴力の標的となったことは、司法の独立性に対する脅威であると同時に、民主主義国家としての法の支配が揺らぎかねない事態として懸念されています。政府要人が、このような事件の責任を司法当局のトップに転嫁する姿勢は、社会の対立をさらに深め、解決を困難にする可能性も指摘されています。
※本記事はイスラエルの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。




