
この記事のポイント
- ブラジルのフラビオ・ボルソナロ上院議員の書簡が、ChatGPTの助けで作られていたと現地メディアが報じた。
- 書簡は自身を「当選した大統領」と呼び、国章も使っていたとされ、米国の反発や連邦警察への申し立てを招いた。
- 選挙の監視団体はルラ氏の勝利は公正だったと強調しており、選挙結果を認めない動きへの批判が強まっている。
物議を醸した書簡、AIで作成と報道
ブラジルで、フラビオ・ボルソナロ上院議員が出した書簡が、対話型AI「ChatGPT」の助けを借りて書かれていたと、政治ニュースサイト「Poder360」が報じました。フラビオ氏はジャイル・ボルソナロ前大統領の長男で、リオデジャネイロ州選出の上院議員です。この書簡は大統領選の結果をめぐって国内外で強い批判を受けており、作り方まで問われる事態になっています。
書簡はなぜ問題になったのか
現地の報道によると、書簡には自身を「当選した大統領(presidente eleito)」と呼ぶ部分がありました。大手メディア「G1」は、米国側がこの表現を削るようフラビオ氏に求めたと伝えています。また書簡には、国の紋章(ブラジル連邦共和国の国章)が使われていたとされ、弁護士らが連邦警察(PF)に調べるよう申し立てたとも報じられました。国章は本来、政府の公式文書に使われるものです。
選挙の監視団体はルラ大統領の勝利は公正だったと強調し、フラビオ氏の動きを「クーデター的」と非難しています。米ホワイトハウスもこうした動きを受け入れない姿勢を示したと一部で報じられ、書簡は国際的な孤立を深める結果になったとみられます。
AI使用が示すもの
Poder360の報道でChatGPTの使用が伝わったことで、選挙結果という国の根幹に関わる主張を、どれほど慎重に準備していたのかに改めて疑問の声が上がっています。ただ、手元の報道要約からは、AIの使用をどうやって確かめたのか、文章のどの部分にAIが関わったのかといった詳しい点はわかりません。
生成AIを文書づくりに使うこと自体は、世界中の政治家や役所に広がりつつあります。しかし、公的な重みを持つ文書で、事実と違う肩書きや公式の紋章を使い、そのうえAIに頼っていたとなれば、内容の信頼性や責任の所在が問われるのは避けられないでしょう。
背景:分断が続くブラジル政治
ブラジルでは2022年の大統領選で、ジャイル・ボルソナロ氏がルラ氏に敗れました。その後、2023年1月には支持者が首都ブラジリアの政府施設を襲撃する事件が起き、前大統領自身もクーデター計画に関わったとして裁判にかけられています。選挙結果を認めない動きは、ブラジルの民主主義にとって今も重い問題です。今回の書簡をめぐる騒動は、ボルソナロ家と支持者が選挙結果にどう向き合うのかを改めて問うものになっています。
今後、連邦警察が国章の使用について捜査を始めるかどうか、またフラビオ氏の政治的な立場にどう響くかが注目されます。
※本記事はブラジルの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:Poder360




