
この記事のポイント
- 英国の控訴院が、少女を暴行した10代少年2人の原審判決を覆し実刑4年とした。
- 「甘すぎる量刑」を上級審が見直す英国特有の制度が今回の刑引き上げの背景にある。
- 被害者家族は新たな刑も「不十分」と訴え、少年司法の更生重視と被害者感情の対立が浮き彫りに。
控訴審が原審の判決を覆す
英国で、少女を暴行(レイプ)したとして有罪となった10代の少年2人に対し、控訴院(Court of Appeal=日本の高等裁判所にあたる上級審)が原審の判決を見直し、それぞれ4年の拘禁(少年に対する収容措置)を言い渡した。当初の裁判では、少年らに刑務所・少年施設への収容を伴わない比較的軽い判決が下されていたが、これが「甘すぎる(unduly lenient)」として問題視され、上級審での見直しにつながった。
「甘すぎる判決」を見直す英国の仕組み
英国(イングランド・ウェールズ)には、下級審の量刑が明らかに軽すぎると判断される場合に、検察トップである法務長官(Attorney General)の付託を受けて控訴院が刑を見直せる「不当に軽い量刑(Unduly Lenient Sentence)」という制度がある。今回もこの枠組みに沿って審理され、控訴院は「収容を科さなかった原審の判断は誤りだった」と結論づけたと報じられている。日本でも検察が量刑不当を理由に控訴することはあるが、市民の申し立てを起点に上級審が刑を引き上げられる点は、英国の制度の特徴といえる。
被害者家族は「まだ不十分」
事件はイングランド南部ハンプシャー州のフォーディングブリッジ(Fordingbridge=ニューフォレスト近くの小さな町)周辺で起きたとされる。被害者側の家族は、見直し後の4年という刑についても「これでは足りない」との思いを地元メディアに語ったと伝えられている。加害者が少年であることから、量刑には少年司法特有の配慮(更生の重視や年齢に応じた減軽)が働く一方、被害の重大さとの間でどうバランスを取るかが、英国社会でも改めて問われる形となった。
日本の読者が押さえておきたい点
本件は、加害者・被害者ともに未成年である性犯罪をめぐり、「更生」と「厳罰・被害者感情」のどちらをどこまで重視するかという、多くの国に共通する難しい論点を含んでいる。なお、少年らの氏名や事件の詳細な経緯は、少年司法上の匿名保護などから限定的にしか報じられておらず、断定的に語れない部分が残る点には留意したい。
※本記事は英国の現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:BBC




