
この記事のポイント
- ロシア政府が旧規格ユーロ3ガソリンの流通を2026年末まで一部製油所に容認した。
- 背景には国内で深刻化するガソリン不足があり、供給確保が狙いとみられる。
- 硫黄分が多くエンジン摩耗を早めるとの懸念も専門家から指摘されている。
ロシア政府が、環境規格の古い「ユーロ3」基準のガソリンについて、その流通を2026年末まで容認する決定を下した。ロシアの通信社インテルファクスや独立系メディアなどが伝えたもので、深刻化する国内の燃料不足への対応策とみられる。
「ユーロ3」とは何か
「ユーロ(Euro)」規格は、もともと欧州連合(EU)が定めた自動車の排ガス基準で、燃料に含まれる硫黄分などの上限を段階的に厳しくしてきた枠組みだ。数字が大きいほど新しく、環境負荷が小さい。ロシアも長らく最新に近い「ユーロ5」を主流としてきたが、今回はそれより2世代古い「ユーロ3」の流通を一時的に認める形になる。ユーロ3は硫黄分の含有量が多く、排ガスや、部品への影響の面で見劣りするとされる。
背景にある燃料不足
今回の措置は、ロシア国内で表面化しているガソリン不足を背景としている。報道によれば、政府は特定の製油所(NPZ=石油精製工場)に限って、期限付きで硫黄分の高いガソリンの出荷・流通を認めた。基準を一時的に緩めることで、供給できる燃料の量を確保する狙いがあると見られる。ロシアでは各地で燃料の需給が逼迫しているとの指摘があり、こうした規制緩和はその応急策と位置づけられる。
専門家が指摘する懸念
一方で、硫黄分の多いガソリンの使用には懸念も示されている。独立系メディアの報道では、ユーロ3ガソリンの使用が「エンジンの摩耗を確実に早める」といった趣旨の指摘が伝えられている。硫黄分が多い燃料は、排ガス浄化装置やエンジン部品への負担が大きくなり得るというのが一般的な見方だ。ただし、実際にどの程度の影響が出るかは車両や使用状況によって異なり、現時点で一律に断定できるものではない。
今後の見通し
今回の容認はあくまで2026年末までの期限付き措置とされている。燃料の需給が改善すれば元の規格に戻る可能性が高いが、逆に不足が長引けば、環境規格の緩和が常態化するリスクも否定できない。ロシアのエネルギー事情を映す動きとして、今後の推移が注目される。
※本記事はロシアの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:Интерфакс




