
この記事のポイント
- NATO軍の最高幹部が、ロシアに攻撃された場合の対処方針を「勝利計画」として示し、オランダ主要各紙が大きく報じた。
- 「敵を食い止め、弱らせ、打ち砕く」などの強い言葉で抑止を示す一方、「日々備えが強まっている」と冷静さも呼びかけた。
- ハーグでの首脳会議や国防費の拡大を経て、オランダでもロシアの脅威と安全保障への関心が高まっている。
「攻撃すれば全てを破壊する」と強い警告
オランダで、北大西洋条約機構(NATO)の軍最高幹部が公表した、ロシアの脅威への対処計画が大きく報じられている。地方紙AD、ニュースサイトNU.nl、公共放送NOS、全国紙Trouwといった主要メディアが一斉に取り上げ、ADはこの計画を「異例の勝利計画」と表現した。
報道によると、この幹部は「ロシアが我々を攻撃すれば、あらゆるものを破壊する」と述べた。NOSは、攻撃を受けた場合には「敵を食い止め、弱らせ、打ち砕く」という3段階の考え方を伝えている。Trouwも「我々に攻撃を仕掛ける者には災いが降りかかる」という趣旨の発言を見出しに取った。言葉選びはかなり強く、抑止の意志をはっきり示す内容となっている。
「パニックではなく準備」を強調
一方でADは、NATOが「厳しいメッセージをロシアに送ったが、パニックは起こしていない」と伝えた。幹部が「私たちは日々、備えを強めている」とも語ったと報じている。危機をあおるのではなく、防衛体制が着実に整ってきていることを市民に示す狙いがあるとみられる。
NATOは、加盟国の1カ国への攻撃を全加盟国への攻撃とみなす「集団防衛」(北大西洋条約第5条)を柱とする軍事同盟だ。2022年にロシアがウクライナへ全面侵攻して以降、東側の加盟国を中心に部隊の配置を強め、有事の防衛計画を見直してきた。今回の発言も、その流れの中で抑止力を示すものと位置づけられる。なお、公表された計画の詳細な中身や、発言がどの場で行われたかについては、現時点の見出しや要約からは確認できない。
オランダにとっての意味
オランダはNATOの原加盟国で、南部リンブルフ州のブルンスムにはNATOの統合軍司令部が置かれている。2025年6月にはハーグでNATO首脳会議が開かれ、加盟国が防衛関連支出を大きく増やす目標で合意した。オランダでも国防費の拡大や徴兵・予備役のあり方が議論されており、安全保障は市民にとって身近な話題になっている。
主要メディアがそろって大きく報じたのは、ロシアの脅威を現実の問題として受け止める空気がオランダ社会に広がっていることの表れともいえる。今後は、計画の具体的な中身や、各加盟国にどんな負担や役割が求められるのかが注目される(この点は編集部の見方)。
※本記事はオランダの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:AD.nl




