
この記事のポイント
- インドネシアの資金洗浄事件で、被告の弁護士ドン・リト氏が、検察が弁護士報酬と事業収入を混同していると反論した。
- 事件の中心は、汚職捜査を指揮する特別犯罪担当検事次長を務めたフェブリ氏で、本人も起訴内容を否認している。
- フェブリ氏の自宅で見つかったとされる金74キロについて、ドン・リト氏は自分のものだと主張しており、資産の出どころが争点になる。
弁護士被告「検察は報酬と事業を混同」
インドネシアで、検察組織の元幹部が関わる資金洗浄(マネーロンダリング)事件の裁判が進んでいます。現地の法律専門メディア「Hukumonline」などによると、被告の一人で弁護士のドン・リト(Don Ritto)氏が法廷で起訴内容を否認しました。同氏は、検察が弁護士として受け取った正当な報酬と、自身の事業で得た収入を区別せず、一括して犯罪収益のように扱っていると主張しています。
元「特別犯罪担当検事次長」をめぐる事件
この事件の中心にいるのは、最高検察庁で特別犯罪担当検事次長(現地略称「Jampidsus」)を務めたフェブリ・アドリアンシャ氏です。Jampidsusは汚職などの重大事件の捜査・起訴を指揮するポストで、インドネシアの汚職対策で重要な役割を担います。その元トップが資金洗浄の罪で起訴されたことで、国内で大きな関心を集めています。現地報道では、フェブリ氏本人も「法を犯したことはない」と起訴内容を否認し、起訴の無効と勾留からの解放を求めたと伝えられています。
自宅の金塊74キロは「自分のもの」と主張
現地メディア「kumparan」の見出しによると、ドン・リト氏はフェブリ氏の自宅で見つかったとされる金74キロについて、自分の所有物だと主張しました。金塊が誰のもので、どのような経緯で取得されたのかは、資金洗浄の罪が成立するかどうかに関わる重要な争点とみられます。ただし、金の取得の経緯や、ドン・リト氏とフェブリ氏の具体的な関係について、現時点で確認できる報道は限られています。
インドネシアの資金洗浄罪「TPPU」とは
インドネシアでは資金洗浄罪を「TPPU」と呼び、汚職事件と併せて起訴されることがよくあります。犯罪で得た資金を隠したり、別の資産に変えたりした行為を罰するもので、検察は資産の出どころを示し、被告側は正当な収入だと反論するのが一般的な構図です。今回のドン・リト氏の主張も、資産の性質をめぐるこうした争いの一つと言えます。
今後の焦点
インドネシアの刑事裁判では、起訴状の朗読の後、被告側が「エクセプシ(異議)」で起訴の形式や内容に反論し、裁判所がそれを受け入れるかを判断します。被告側の反論がどこまで認められるか、また金塊を含む資産の出どころがどこまで明らかになるかが、今後の注目点です。検察組織の元幹部が被告となった裁判だけに、司法の公正さに対する国民の目も厳しくなっています。
※本記事はインドネシアの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:Hukumonline




