
この記事のポイント
- 2021年にケープタウンのホテルから転落死したアネレ・テンベさんをめぐり、南アフリカで死因審問が続いている。
- 法医学の専門家は、バルコニーの足跡から転落直前のテンベさんは部屋の方を向いていたとみられると証言した。
- 押された可能性に触れた専門家もいるが結論は出ておらず、今後もほかの証人が出廷する予定だ。
南アフリカで、2021年に起きた若い女性の転落死をめぐる「死因審問(インクエスト)」が続いています。亡くなったのは、同国の人気ラッパーAKA(本名キールナン・フォーブス)の婚約者だったアネレ・テンベさんです。現地報道によると、審問に出廷した法医学の専門家が「バルコニーに残った足跡から、テンベさんは部屋の方を向いていたとみられる」と証言しました。
事件の経緯
テンベさんは2021年4月、南西部の港湾都市ケープタウンのホテルの高層階から転落して亡くなりました。当時22歳で、父親は実業家として知られる人物です。宿泊していた部屋にはAKAも同室していたと伝えられ、事故か自殺か、あるいは第三者が関わったのかをめぐって国内で大きな関心を集めました。
一方、AKAは2023年2月、東部の都市ダーバンで銃撃されて死亡しました。この事件も南アフリカ社会に衝撃を与えています。テンベさんの死の真相は、当事者の一人が亡くなった後も解明が続く状況です。
「飛び降りか、押されたか、滑ったか」
今回の審問の焦点は、テンベさんがどのように転落したかです。現地メディアは「飛び降りたのか、押されたのか、足を滑らせたのか」という見出しで専門家の証言を報じています。
報道によれば、専門家はバルコニーに残された足跡を分析し、転落直前、テンベさんの体は外側ではなく室内側を向いていた可能性があると説明しました。公共放送SABCは、この専門家が「押された可能性がある」との見方を示したとも伝えています。ただし、これはあくまで一人の専門家の分析です。審問ではほかの証人の証言も予定されており、最終的な判断が出たわけではありません。
死因審問とはどのような手続きか
南アフリカの死因審問は、不自然な死について、死因や死に至った経緯、刑事責任を問うべき人物がいるかどうかを裁判所が調べる手続きです。刑事裁判とは異なり、特定の被告を裁く場ではありません。それでも、審問の結論次第では検察が改めて訴追を検討することもあるとされます。
この審問は延期や中断をはさみながら進んでおり、今後も複数の証人が出廷する見通しです。著名人が関わる事件として注目度が高い一方、同国では女性に対する暴力が深刻な社会問題として議論されてきた背景もあり、審問の行方には多くの国民が関心を寄せています。
※本記事は南アフリカの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:TimesLIVE




