
この記事のポイント
- インドネシア全国で、約2週間の交通取り締まり強化期間「オペラシ・パトゥ2026」が始まった。
- 首都圏警察のトップは、取り締まり中に不正を働く警官を見つけたら通報するよう市民に呼びかけた。
- 交通違反をその場の現金で済ませる慣行が根強く、警察への信頼回復が課題になっている。
全国で一斉に始まった交通取り締まり強化期間
インドネシアで、警察による年次の交通取り締まり強化期間「オペラシ・パトゥ(Operasi Patuh)」が始まりました。「パトゥ」はインドネシア語で「従う・順守する」という意味で、交通ルールを守る意識を高めることが狙いです。現地報道によると、今年の実施期間は約2週間です。全国の州警察がそれぞれ作戦名を付けて実施しており、首都ジャカルタとその周辺を担当する首都圏警察(ポルダ・メトロ・ジャヤ)は「オペラシ・パトゥ・ジャヤ2026」として取り組んでいます。
「不正な警官がいたら通報を」
今回の作戦で注目されたのは、首都圏警察本部長(カポルダ)が市民に向けて出した呼びかけです。現地メディアによると、本部長は取り締まりの最中に「ポリシ・ナカル(不正を働く警官)」がいた場合は、ためらわずに通報するよう求めました。「ナカル」は本来「いたずらな、行儀の悪い」という意味の言葉ですが、警察官について使う場合は、違反者から現金を受け取る、根拠のない理由で金品を求めるといった不正行為を指すことが多い表現です。
背景にある「路上の賄賂」問題
インドネシアでは長年、交通違反の現場で警官と違反者が現金をやり取りして済ませる、いわゆる「デダン(その場の示談)」が問題視されてきました。警察への信頼が十分に高いとは言えないなか、国家警察は近年、カメラで違反を自動的に記録し罰金を科す電子取り締まり制度(ETLE)の導入を進めるなど、警官と市民が直接やり取りする場面を減らす取り組みを続けています。
一方、今回のような強化期間には警官が路上で直接違反を取り締まる手作業での切符処理も行われるため、不正が起こる余地は残ります。トップ自らが通報を呼びかけた背景には、取り締まりの公正さを示し、組織への信頼を回復したいという狙いがあるとみられます。
市民にとっての意味
強化期間中は、ヘルメット未着用、逆走、未成年の運転、スマートフォンを使いながらの運転などが重点的に取り締まられるのが通例です。バイクが主要な移動手段であり、慢性的な渋滞と交通事故が社会問題となっているジャカルタでは、毎年この時期に検問が増え、市民の関心も高まります。各地の警察は「人に寄り添った対応」を掲げていますが、その言葉どおりに運用されるかは、市民からの通報がどれだけ受け止められ、処分につながるかにかかっていると言えそうです。
日本でも春と秋に交通安全運動が行われますが、インドネシアの場合は、交通安全の啓発と並んで、警察そのものの規律が問われている点に特徴があります。
※本記事はインドネシアの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:detikNews




