
この記事のポイント
- 香港と深圳を結ぶ新皇崗口岸が、週末の出入境ピークやハロウィーンの人出で大混雑した。
- 香港政府は複数部門の指揮所を設け、無許可で客を運ぶ「白牌車」の取り締まりも強化した。
- 議員や政党からは、混雑の警報やリアルタイム情報の提供、臨時の乗降場所の増設を求める声が出ている。
新しい口岸に人が殺到
香港と中国本土・深圳の境界にある「皇崗口岸」で、大きな混雑が起きていることが香港で話題になっています。口岸(こうがん)とは、出入境の審査を行う境界の検問所のことです。皇崗口岸は深圳の中心部・福田区に近く、建て替えられて「新皇崗口岸」として整備が進められてきました。香港と深圳を行き来する人が多い主要な拠点の一つです。
現地の報道によると、週末の出入境のピークや、ハロウィーンの時期に人出が集中したことで、口岸の周辺や審査場が混み合いました。香港メディアの「香港01」は社説にあたる「01觀點」でこの問題を取り上げ、「香港と深圳は『同城(同じ都市圏)』の時代に入ったのに、通関はいまも境界を固く守るやり方のままなのか」と問いかけています。
政府の対応:指揮所の設置と違法送迎車の取り締まり
香港政府は、ハロウィーン期間の人の流れに対応するため、新皇崗口岸に複数の部門をまとめた指揮所を設けたと報じられています。週末の出入境ピークに向けて前もって態勢を整え、「白牌車」の取り締まりも強めるとしています。白牌車とは、営業用の許可を受けずに有料で客を運ぶ自家用車のことで、日本でいう「白タク」にあたります。口岸周辺では、こうした車が乗客を待つことが以前から問題になってきました。
議員・専門家からの提案
立法会(香港の議会)議員の陳恒鑌氏は、当局が新皇崗口岸での調整策を研究できるとの考えを示しました。専門家からは、混雑の状況などリアルタイムの情報を利用者にもっと提供すべきだという提案が出ています。親中派の最大政党「民建聯(香港民主建港協進聯盟)」は、大型イベントの時期に警報を出す仕組みを設けることや、臨時の乗降場所を増やすことを政府に求めました。
背景:一体化が進む香港と深圳
香港と深圳の間では近年、人の行き来が大きく増えています。香港の住民が週末に深圳で買い物や食事を楽しむ「北上消費」が広まり、本土からの旅行客も香港のイベントに多く訪れます。両都市を一つの生活圏として扱う「同城化」は、中国政府が進める広東・香港・マカオ大湾区構想の柱の一つでもあります。
一方で、香港は「一国二制度」のもとで独自の出入境管理を続けており、深圳との往来には今も審査が必要です。人の流れが増えるなか、施設の受け入れ能力や審査の方法がそれに追いついているかが問われていると言えます。今回の混雑は一時的な人出の集中によるものですが、香港の社会では、交通の誘導や情報提供といった運用の改善にとどまらず、通関の仕組みそのものを見直すべきかという議論にもつながりつつあるようです。
※本記事は香港の現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:香港01




