
この記事のポイント
- EUはカナダとの関係強化で「準加盟」という呼び方をやめる方向だと、CBCが関係者の話として報じた。
- 首脳会議で新しい協議を始める予定で、政府関係者は「これまでで最も加盟に近い関係」になると話している。
- 米国との関係が不安定になるなか、カーニー首相は欧州との関係強化を進め、世論の約75%が支持している。
カナダと欧州連合(EU)の関係強化をめぐり、EUが「準加盟(associate membership)」という呼び方をやめる方向だと、カナダの公共放送CBCが関係者の話として伝えました。欧州の政治メディアPOLITICOも、EUがカナダへの「準加盟国」の提案を取り下げる見通しだと報じています。呼び方は変えても、関係を深める方針そのものは変わらないとみられます。
「準加盟」構想とは何だったのか
カナダはEUの加盟国ではありませんが、ここ数年でEUとの結びつきを急速に強めてきました。両者の間には、2017年に暫定的に発効した包括的経済貿易協定(CETA)があり、関税の大半がなくなっています。そのうえで、加盟国に近い扱いをカナダに与える枠組みとして「準加盟」という言葉が取りざたされていました。
ただ、EUの基本条約には「準加盟国」という正式な立場はありません。今回この呼び方を見送る理由ははっきり伝えられていませんが、加盟を目指す他の国との公平さや、法律上の位置づけのあいまいさを避けたいという考えがあるのではないかとの見方もあります(推測の域を出ません)。
首脳会議で踏み込んだ協議を始める予定
カナダのメディアCP24などによると、近く開かれるカナダ・EU首脳会議では、より深い協力関係に向けた新しい協議を始める予定です。カナダ政府の関係者は、新しい関係は「これまでのどの取り決めよりも加盟に近いものになる」と話しているといいます。具体的にどの分野で、どこまで協力するかは今後の協議しだいです。
背景にある米国との関係
カナダが欧州に目を向ける大きな理由は、最大の貿易相手である米国との関係が不安定になったことです。米国の関税政策などで経済の先行きが見えにくくなり、マーク・カーニー首相の政権は、貿易や安全保障の相手を広げる「多角化」を掲げてきました。中央銀行総裁を務めた経歴を持つカーニー氏は、欧州との結びつきを重視していることで知られます。
国内の世論もこの方針を後押ししているようです。CityNewsが伝えた世論調査では、カナダ人のおよそ75%が、欧州との関係を深めるカーニー首相の方針は正しいと答えました。
今後の焦点
呼び方がどうなるにせよ、注目されるのは関係の中身です。貿易のさらなる自由化、防衛・安全保障での協力、エネルギーや重要鉱物の供給網などが議題になる可能性がありますが、詳しい内容はまだ明らかになっていません。北米の国が欧州とどこまで深く結びつくのか、首脳会議の結果に関心が集まっています。
※本記事はカナダの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:CBC




