
この記事のポイント
- 米アラスカ州上院選で、現職サリバン議員と同姓同名の人物を候補に立てる工作が民主党側にあったと報じられた。
- 対抗馬の民主党ペルトラ元下院議員は、この工作を知らなかったとして自身の関与を否定している。
- 司法省が召喚状を出し、州知事も独自に調査を開始。知事は選挙結果の認定にも疑問を示した。
同姓同名の候補をめぐる騒動
米国アラスカ州の連邦上院選挙で、思わぬ騒動が起きています。現職の共和党上院議員ダン・サリバン氏と同じ名前の別人を候補者として投票用紙に載せようとする動きが民主党側にあったと、米紙ニューヨーク・タイムズなどが報じました。これに対し、サリバン氏に挑む民主党のメアリー・ペルトラ氏は、AP通信の取材などで「その動きは知らなかった」と関与を否定しています。
ペルトラ氏はアラスカ先住民(ユピック)出身の政治家で、かつて同州選出の連邦下院議員を務めました。共和党が強いとされるアラスカで民主党が議席を取れるかどうかが注目され、今回の中間選挙で全米が見る激戦区の一つとみられています。
なぜ「同じ名前」が問題になるのか
投票用紙に同じ名前の候補が2人並べば、有権者がどちらに投票すべきか迷ったり、間違えて別の人に票を入れたりするおそれがあります。その結果、現職の得票が割れ、対立候補に有利になる可能性も否定できません。報道では、こうした効果を狙った工作だったのではないかという疑いが持たれています。
アラスカ州は、党に関係なく全候補が同じ予備選を戦い、上位4人が本選に進む「トップ4予備選」と、有権者が候補に順位を付けて投票する「順位付け投票」を採用している、全米でも珍しい州です。候補者の立て方が結果に影響しやすい仕組みのため、今回の件は制度のすき間を突く動きとして受け止められているようです。
司法省と州知事も動く
この問題は法律や行政の場にも広がっています。報道によると、連邦司法省(DOJ)は関係者に召喚状を出して調べを進め、訴訟も起こしています。また、アラスカ州知事も別に州独自の調査を始めました。さらに知事は、ペルトラ氏が勝った場合の選挙結果の認定(当選を正式に確定する手続き)について疑問を示したとも伝えられています。
一方で、米メディアの論説の中には「工作は問題だとしても、司法省が訴訟を起こすのは行き過ぎだ」とする意見もあり、連邦政府が州の選挙にどこまで関わるべきかという点でも議論が分かれています。
今後の焦点
焦点は、この工作に誰がどこまで関わっていたのか、そしてペルトラ氏の陣営と何らかのつながりがあったのかどうかです。現時点で、ペルトラ氏が関与していたことを示す事実は報じられておらず、本人も否定しています。調査の行方によっては、選挙の流れや結果の認定手続きに影響が出る可能性もあり、上院の多数派争いにも関わる一戦として、今後の動きが注目されます。
※本記事は米国の現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:AP News




