
この記事のポイント
- ウクライナのドロシチュクが走り高跳び決勝で4位、試技数の差で表彰台を逃した。
- 舞台は世界陸連が新設した第1回「絶対世界選手権」で、現地語では絶対WCと呼ばれる。
- 優勝は東京五輪王者のイタリア・タンベリで、今季最高記録を残し会場を沸かせた。
ウクライナの陸上男子走り高跳びで、オレフ・ドロシチュク選手が2026年の「絶対世界選手権(Абсолютний чемпіонат світу)」の決勝で4位に入った。ウクライナの公共放送スースピリネのほか、スポーツ専門サイトのsport.ua、経済紙系のRBK-ウクライナなど現地の主要メディアが結果を速報し、見出しには「メダルまで試技1本」という表現が並んだ。
「試技1本」の差で表彰台を逃す
走り高跳びは、同じ高さを跳んだ選手が複数いる場合、その高さを何回目の試技でクリアしたか、そこまでに何回失敗しているかで順位が決まる。現地メディアが「メダルまで試技1本」と書いたのは、ドロシチュク選手が記録の上では表彰台圏に肉薄しながら、この試技数の差で3位に届かなかったことを指すとみられる。跳んだ高さそのものより、一本のバーをどう越えたかが順位を分けるという競技の性格が、そのまま結果に表れた形だ。
「絶対世界選手権」とは何か
ウクライナ語の「Абсолютний чемпіонат світу」は、直訳すると「絶対世界選手権」。世界陸連が新たに立ち上げた、出場枠を絞り込んだ短期集中型の国際大会を指す呼び名として現地で用いられている。従来の世界選手権とは別枠の新設大会で、今回が第1回にあたると各紙は伝えている。日本ではまだ訳語が定着しておらず、媒体によって名称の表記は揺れる可能性がある。なお、大会方式や会場の詳細は、今回参照した現地報道の要約からは確認できない。
優勝はイタリアのタンベリ
この種目を制したのは、イタリアのジャンマルコ・タンベリ選手だった。東京五輪の走り高跳びで金メダルを分け合った選手として、日本でも記憶している人は多いだろう。現地報道によれば、タンベリ選手は優勝に加えて今季最高の記録を残し、持ち前の派手なパフォーマンスで会場を沸かせた。ウクライナ側の見出しにも「タンベリのショー」という言葉が使われており、勝者の存在感が結果以上に印象づけられた大会だったことがうかがえる。
戦時下のウクライナ陸上界という文脈
2022年に始まったロシアによる全面侵攻以降、ウクライナの競技環境は平時とはかけ離れた状態が続いてきた。練習拠点の被害や空襲警報による中断、選手の国外拠点への移動などが繰り返し報じられており、国際大会での好成績は国内で「国旗が掲げられる数少ない場面」として大きく扱われる傾向がある。走り高跳びはウクライナが伝統的に強い種目で、女子ではヤロスラワ・マフチフ選手が世界記録保持者として国民的な人気を集める。メダルには届かなかったものの、ドロシチュク選手の4位もこうした文脈の中で好意的に受け止められているとみられる。
※本記事はウクライナの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:Суспільне | Новини




