
この記事のポイント
- 南アフリカのラマポーザ大統領が、エクルレニで相次ぐ女性殺害を受けて、GBVF対策について国民向けに演説した。
- 演説では、街灯の修理などを90日で進める計画を示し、女性が襲われやすい場所を減らすことを目指すとした。
- 支援団体のNGOは「今すぐ助けが必要」と反発しており、被害者をすぐに支援する仕組みが求められている。
女性の殺害が相次ぎ、大統領が国民に語りかける
南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領は、女性が殺害される事件が相次いでいるエクルレニについて国民向けの演説を行いました。演説では、「ジェンダーに基づく暴力とフェミサイド(GBVF)」への政府の対策も示しました。GBVFは、性別を理由にした暴力と、女性であることを理由にした殺人を指します。南アでは長年の深刻な社会問題です。エクルレニは、最大の経済都市ヨハネスブルクの東隣にある大都市圏の自治体で、ハウテン州にあります。
大統領府は、演説をエクルレニの女性殺害とGBVFへの国の対応に関するものと位置づけました。演説は公共放送SABCや民放のeNCAでも生中継されました。
街灯の修理など「90日計画」
現地の報道によると、大統領は街灯の修理などを90日で進める計画を打ち出しました。暗い道や人目につかない場所は女性が襲われやすいといわれており、街の環境を良くして犯罪の起きやすい場所を減らす狙いとみられます。報道の見出しには、生い茂った草木の刈り取りなどを示すとみられる内容もありますが、詳しい中身は元の要約からは確認できません。
NGO「今すぐ助けが必要な人がいる」
一方、被害者の支援や女性の権利に取り組むNGOからは、厳しい声が上がっています。「人々は今この瞬間に助けを必要としている」という発言が報じられ、発表された対策は物足りないと受け止められています。街灯の整備のような対策は効果が出るまで時間がかかります。支援団体はそれよりも、今まさに被害にあっている人や危険にさらされている人を救う仕組みを求めているとみられます。
一般に、南アのGBVF対策では、次のような点が課題として指摘されてきました。警察が被害の届け出にきちんと対応しない、裁判で有罪になるまでに時間がかかる、シェルター(避難施設)や相談窓口のお金と人が足りない、などです。これまでも政府は国家計画や法改正を進めてきましたが、「計画はあっても現場に届かない」という不満は根強く、今回の反応もその延長線上にあると考えられます。
背景:世界的にも深刻な南アの女性への暴力
南アフリカは、女性の殺害や性暴力の発生率が世界的にみても高い国として知られています。市民団体による抗議活動も繰り返されてきました。大統領が特定の地域の事件を取り上げて国民に直接語りかけたことは、それだけ世論の危機感が強いことの表れといえます。今後は、90日計画が期限内にどこまで実行されるか、支援団体が求める緊急の被害者支援に政府がどう応えるかが注目されます。
※本記事は南アフリカの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:eNCA




