
この記事のポイント
- インド北部メーラトの「青いドラム缶」殺人事件で、被害者の妻と交際相手に死刑判決が言い渡された。
- 判決の場で2人が泣き崩れたことや、裁判官によるマハーバーラタの引用とペンのしぐさも話題になった。
- インドの死刑は高等裁判所の確認が必要で、上訴や恩赦の手続きも残るため、確定までには時間がかかる。
世間を騒がせた事件に死刑判決
インド北部ウッタル・プラデーシュ州のメーラトで起きた、いわゆる「青いドラム缶」殺人事件で、地元の裁判所が被害者の妻ムスカン・ラストギ被告と交際相手の男に死刑判決を言い渡しました。英字紙ザ・ヒンドゥーやNDTV、テレグラフ・インディア、インディア・トゥデイなど、インドの主要メディアが一斉に報じています。メーラトは首都ニューデリーの北東およそ70キロにある地方都市です。
どんな事件だったのか
報道によると、この事件では夫が殺害され、遺体が青いプラスチック製のドラム缶に隠された状態で見つかりました。事件の名前はここから来ています。妻とその交際相手が共謀したとされ、手口の残忍さや「ドラム缶」という印象の強さから、インド国内のSNSやテレビで大きく取り上げられ、社会的な関心を集めてきました。
判決言い渡しの場面
NDTVは、死刑が言い渡されたあと、2人の被告が「抑えきれずに泣き崩れた」と伝えています。またインディア・トゥデイによると、裁判官が判決の中でインドの古代叙事詩『マハーバーラタ』の一節を引用したことや、ペンを使ったしぐさが注目を集めました。インドには、死刑判決に署名した裁判官がペン先を折るという慣習が古くから伝わっているとされ、これと関係するしぐさだった可能性があります。ただ、実際にどのようなしぐさだったかは報道ごとに詳しさが異なるため、ここでは断定しません。
インドの死刑制度という背景
インドでは今も死刑制度が残っていますが、最高裁の判例により、死刑は「最もまれな中でもまれな事件(rarest of rare)」に限るとされています。今回の判決は、裁判所が本件をそれほど悪質だと判断したことを示しています。
一方で、インドでは地方の裁判所が言い渡した死刑は、高等裁判所の確認を受けなければ執行できません。さらにその後も、最高裁への上訴や大統領への恩赦の請願といった手続きが残されており、判決から執行までには長い年月がかかるのが一般的です。実際に執行される件数はごくわずかです。被告側が控訴するかどうか、今後の裁判の行方が注目されます。
事件が投げかけるもの
この事件は、ショッキングな犯罪がSNSで一気に広まり、世論が裁判の行方を強く見守る、いまのインド社会の姿も映し出しています。量刑の重さをめぐっては、国内でもさまざまな意見が出るとみられます。
※本記事はインドの現地報道をもとに、編集部が日本語で再構成したものです。
📰 情報ソース:The Hindu




